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2006年1月25日


 <本日のツボ10>
   『コンビニ専用の意味』

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<ツボの説明>

  昨日「イノベーションの例」としてご紹介した、高級化粧品
 の「コンビニ販売専用商品」ですが、この背景にちょっとした
 商品ポジションの変化が感じられます。

  高級化粧品といえば、従来はお金持ちが大枚はたいて買う贅沢品と
 位置づけられてきました。そのような商品は、百貨店の専用売り場や
 専門店の店頭で、しっかり説明しながら販売するのが向いています。
 セールスレディーによる訪問販売やカタログ通信販売という売り方も
 多用されていましたが、それらも「商品の効用説明に重点を置く」
 という意味では専門店の店頭販売と同様です。
  逆に言うと、従来の高級化粧品は、その機能や効果をじっくりと
 説明しないと買ってもらえない「特別な商品」だったのです。

  一方、コンビニでは、店員さんがお客さんにクドクドと商品説明を
 しますか?ありえないですよね?
  薬局やドラックストアーならまだ「これ、よく効きますか?」など
 と質問することもできますが、コンビニではムリ。だって、ほとんど
 アルバイトさんじゃないですか。

  説明を必要とする商品がコンビニに展開されるようになった背景
 には、あるキーワードが潜んでいます。それは「定番化」。
  消費者というのは無意識に「自分の定番」を形成しています。
  「下着のシャツはBVDの丸首・半そで・色は白」とか・・・。
 人は定番以外のものを買う決心をするためには何らかの理由付けを
 必要としますが、定番を購入するときに説明を求める消費者はいません。

  高級化粧品がコンビニに展開されたのは、「定番化」に成功したから
 なのです。昨今の美容・健康ブームに乗って、保健サプリメントや
 美顔クリームなどの一部は、もはや説明の必要もないほどだれでも
 その効果を知っている定番商品になっているのです。

  コンビニに置いてもらって売上を拡大したい、という場合には、
 コンビニのバイヤーさんに売り込みに行く前に、「定番化」のため
 の打ち手が必要です。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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