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  2006年1月31日


 <本日のツボ16>
   『立ち上がれ団塊の世代』

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<ツボの説明>

  団塊の世代の去就が注目されています。昭和22年から
 24年に生まれた団塊の世代とよばれる方々は、およそ
 700万人弱いるとされています。

  太平洋戦争終結直後に国全体の出生率が上昇したために、
 他の世代よりも人口が多いという、きわめて自然な現象に
 よって現れたグループですから、特に他の世代の人々と比べて
 異質性がある訳ではないと考えています。

  世間が注目しているポイントは、

 1.この世代が企業の定年退職年齢に到達すると、同時期
   大量退職となるため、企業の生産性や業務遂行能力が
   低下するのではないか

 2.かつて「大量消費世代」と呼ばれたほど消費意欲が高い上、
   人口構成上も厚みのある世代が年金生活に突入すること
   によって、国全体の消費構造に影響があるのではないか

 などと危惧されている点です。

  私が着目しているのは、このグループが良きにつけ悪しきに
 つけ、戦後の日本人の行動・生活スタイルに大きな影響を与える
 お手本または反面教師の役割を担っているという点です。

  700万人全員が年金受給のみで生活するようになり、
 旺盛な消費欲求を封印してしまったら、社会的・経済的に
 マイナスの影響が出ることは避けられません。
  無職の人の割合が増えれば経済が沈滞傾向になるのは当然
 です。

  それは、団塊の世代に限らず、今後「老後」の人生に突入
 してゆく我々全員にもあてはまることですが。

  もし仮に、700万人のうちの半分、350万人が
 年商500万円の個人事業主になれたとすると、年間17兆5千
 億円の経済が生まれることになります。
  これは2004年度の実質GDP526兆円の3%超に相当
 します。

  しかも、大企業が売上を伸ばすことによって国全体の経済が
 3%大きくなるよりも、個人事業主や零細企業が増加することで
 3%大きくなる方が、社会全体の豊かさの向上という点で意味が
 大きいということができます。

  仕事をせずに消費だけするのはなんとなく不安で寂しい感じが
 しますが、10万円売り上げて10万円使う という行動を皆で
 始めれば「金は天下のまわりもの」のいう言葉が本当になります。
 この「金は天下のまわりもの」という感覚で経済をまわす事が、
 超高齢化社会でも皆が豊かに暮らしてゆけるポイントとなります。

  団塊の世代の方々は、日本人の生き方として「リタイヤ後にも
 仕事をもち、生涯生産的な生活を送る」というライフスタイルを
 具現化してみせる役割を担っているんじゃないかな、と感じて
 います。

  そんな意味合いもあって、今年、会社法が改正されます。

  日本の将来がかかっていますぞ、がんばれ団塊の世代。
 応援しています。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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