タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ175>
   『製造業こそソフト化する』

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<ツボの説明>

  ビジネスのコンテクストを文章化してみることが、ソフトビジネス
 への第一歩となります。

  商品・サービスそのものよりもそれに付帯する物語の方が重要に
 なってくると、その事業はかなりソフト化してきたとみることができます。


  そのようなソフトビジネスには「人間の頭脳労働の質と量のみに
 依存する」という性質があります。

  そのため参入が容易であり、成功をおさめたモデルには多くの
 新規参入者が現れ、短期間で競争が激化しやすい、というデメリット
 を持ちます。

  ジャパネット高田がはじめた、「テレビを使った実演販売」という
 ソフト化小売ビジネスに、多くの模倣者が現れているのが一例です。


  また、「人間の頭脳労働の質と量のみに依存する」ということは
 「特定の個人に依存する」ということでもありますから、その個人が
 引き抜きにあったり独立したりすることによって流出した場合、今度は
 その人が自社にとっての脅威となります。

  ソフト化が進むほど、従業員の定着率を高めるための施策を、仕事の
 やりがいと処遇・報酬の両面から具体化する必要が出てきます。


  こういったことに対して、特殊な生産方式や高額な設備などを必要と
 するような商品については、そのような技術や設備を必要とすることが
 参入障壁となって、上記のデメリットを薄める作用を持ちます。

  生産方式や装置に対して産業財産権を設定することができれば、
 より効果的です。


  こういったことから、ビジネスをソフト化することは、販売業
 やサービス業においては「手軽に差別化する手段として有効」で
 あり、製造業においては製品の独自性と組み合わせることにより、
 「より安定的で有効」であるということができます。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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