タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


   <本日のツボ207>
   『励ましが重荷になる』

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<ツボの説明>

  「頑張れ!」という声援が後押しとなり効果的に作用するのは、
 スポーツなどで本来の目的に向かって力を使っているとき。

  もともと記録や勝利に向かって精神を集中し、体力を振り絞っ
 ているときには、励ましの言葉は純粋にその力を増幅する。

  だが、心や肉体が前向きな目標に向いていないときに「頑張れ」
 という類の言葉を受けると、逆効果になることがある。


  極端な例だがわかりやすいのは自閉症の人など。

  彼らは非常に大きなエネルギーを使って外界に対して開こうと
 する扉を閉め続けている。彼らにとって、頑張るエネルギーは
 「閉ざす」ために使われている。

  だから「頑張れ」と励まされればはげまされるほど、その心は
 強い力で閉じようとする。


  うつ病、ひきこもり、ニートなども同じような状態である場合が多い。

  うつ病のばあい、「頑張れ」と励まされたことによって症状が
 悪化し、自殺に至る場合がある。

  頑張って死んでしまう、または、頑張れという言葉が重荷になっ
 てストレスが増幅される。


  励ます言葉を口にすることはたやすい。しかし、効果的に使う
 のは難しい。

  励ましの言葉は、その言葉を口にする者にとって「自分は良い
 ことをしている」という満足感に浸れるという効果がある。

  だが、本当に苦しんでいる者は励ましの言葉などでは救うことが
 できないということを肝に銘ずるべきだ。


  励ましの言葉が逆効果にならないようにするためには、使う側が
 冷静なときに使うようにするのがよい。

  「頑張れ!」と叫ぶのではなく、「ま、ゆるゆるとやってみようか」
 と励ませるゆとりが大切。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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