タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


   <本日のツボ246>
    『経営者が持つアンテナ』

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<ツボの説明>

  友達が自分のブログ http://blog.goo.ne.jp/dancing-ufo に、
 トイザラスの業績下方修正に関する記事を書いています。
 (2007年12月7日の記事)

  「景気はいざなぎ超えとはいうものの、消費は低迷したままで
 あり実感に乏しい」という世間の論調を裏付けていますが、それに
 しても隆盛を誇ったビジネスモデルが減速する時の状況というのは、
 いろいろと考えさせられる事項があるので注目に値します。


  トイザラスの場合は、まだクリスマス商戦が終わっていないのに
 早々と通期の減益を発表したわけです。1月末決算の会社なのに
 今の時点で下方修正したということは、クリスマスと(お年玉が
 オモチャ消費に回る)正月明けという二大イベントの実績を待たず
 に計画の未達が確定的になったということであり、このことは、
 11月までの実績がいかに悪かったかを物語っています。

  トップランナーがこのような状況ですから、このニュースが業界
 全体に与えるショックはある程度大きいと考えられます。


  そういえば、うちは息子が4人いるのですが、「クリスマスプレ
 ゼントは何がほしいの?」ときいても、「ん〜、べつにぃー」など
 と気のない返事が返ってきます。

  この現象だけを見ても「物を売る」ということがいかに難しく
 なってきているかを実感します。

  子供たちのものに対する執着の薄さに驚くことは多く、しかる
 ときに「こんにゃろ。今日は夕飯抜きだ!」なんて言ってみても
 まるっきりこたえる様子がないので閉口します。

  別にもので釣ってしつけているつもりはないのですが、「ものが
 豊かになると子育てが難しくなる」という現象をあからさまに実感
 するようなことが良く起こるのです。


  私は40台半ばにさしかかろうかという世代なのですが、子供
 の頃のオモチャ(怪獣のソフビとかプラモデル)は言うに及ばず、
 ある程度育った後も、酒・タバコ・女性・バイク・車と、およそ
 あらゆる「もの」に関心と執着があって、欲しいものがないなんて
 状況は考えられませんでした。つい「子供がオモチャに関心がない
 なんてこと、ありえねぇだろー」と決め付けてしまいます。

  この点、任天堂の岩田社長がWiiの展望について「敵は消費者の
 無関心」と語ったことは、非常に核心を突いており非凡です。

  岩田さんは私より3つ年上ですが、自身の経験に基づく価値観
 にはとらわれず、現実を鋭くキャッチするアンテナを持っている
 のだと思われます。

  このアンテナ感度の鋭さが経営力となって、他の競合企業との
 収益力の差として現れていると診ることができます。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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