タイトルロゴ大山祐史の経営コラム




 <本日のツボ352>
     『キャズム』

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<ツボの説明>

  画期的新技術は世の中に発表された当初、熱狂的に支持され、マスコミ
 にも注目され「世界を変える(または地球を救う)新技術」と書き立て
 られる。

  しかし多くの場合、この段階で市場は十分に発展していない。

  市場における多数派は製品や技術に実用性・手ごろさ・安心感を求める
 現実的な人々であるが、彼らが「もう買っても安心だろう」と判断する
 ためには、市場のどこかで普通に使用された実績がつみあがる必要が
 ある。しかし革新的新技術にとって、このことは意外と高いハードルに
 なっており、乗り越えるのに時間と労力を要する。

  この状況を「キャズム(谷間)」と呼ぶ。

  現在キャズムにある新技術としては「燃料電池」などを想定すると
 イメージしやすいだろう。


  キャズムを克服し次の「普及」のステージへと進むには、前述したハー
 ドルを越える必要がある。

  そのために開発者が取れる行動は、その技術に対する強いニーズを持った
 特定の集団に対する集中的な働きかけである。

  その技術だけが解決しうる問題を抱えた集団というものが市場のどこに
 存在しているかを突き止め、そこに対するニッチ戦略をとることである。


  技術は持っているがニッチ市場の探索能力及びニッチ市場に対する働き
 かけ能力を持たないという場合は、足りない能力を社外資源に求める必要
 がある。

  この部分の見極め・判断能力と行動力が、その新技術の生死を握って
 いるといってよい。

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