タイトルロゴ大山祐史の経営コラム




 <本日のツボ353>
    『せまい商圏で勝負するには』

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<ツボの説明>

  都心の再開発地域や新しい商業ビルに大型の商業施設が次々とオープン
 し、広い範囲から顧客を集めている。東京ミッドタウンなどは、飛行機に
 乗って訪れるお客さんまでいるそうだ。

  全国から顧客を呼べる超広域型の商業集積地は、銀座や六本木などの
 いわゆるブランド地域に限られるが、もう少し狭い地域、たとえば県とか
 いくつかの市にまたがる程度のレベルで集客することができる広域型の
 商業集積は、全国に存在している。

  そのような顧客吸引力の強い場所が存在すると、その周辺には逆に
 買い物客真空地帯が発生してしまう。

  キーステーションから数駅はなれたエリアが、閑散としてしまう現象だ。


  このような真空地帯になってしまった場所で商売をするには、やはり
 それなりの対策が必要になってくる。

  一番良くないのは、顧客吸引力が高い中心エリアや全国的なブランド
 エリアを研究しそのマネをすること。

  高級で斬新な店づくりや先鋭的な品揃え、スノッブな店員などの特徴を
 どんな場所にでも適用できると考えてはいけない。

  相応に広い商圏があればこそ、そのような特徴を前面に出し「年に数回
 特別な買物に出かける場所」としてにぎわうことができているのだ。

  せまい商圏で勝負しなければいけないお店が同じやり方をしたらどう
 なるか?

  絶対数が少ないお客さんが年に数回しか買物に来なければ、十分な
 来店者数は確保できない。そもそも「年に数回の特別な買物」なら、
 さらに1時間移動に時間がかかっても、大型商業施設がそろった中心地
 へでかけてしまうお客さんも多いことだろう。


  せまい商圏で勝負せざるを得ない店では、広域商店街の魅力を研究する
 ことはあっても、そのマネをしてはならない。広域商店街にないものを
 見つけ出し、徹底的にそれを前面に出してゆく必要がある。

  その「ないもの」とは、品ものだけにかぎらない。

  神奈川県横浜市郊外のSスーパーでは、平凡だが安心感のある品揃えと、
 顧客フレンドリーな接客応対を徹底することにより、狭い商圏の日用品
 買い物客の強い支持を獲得し、10年近くに渡って安定した成長を続けて
 いる。

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