タイトルロゴ大山祐史の経営コラム



 <本日のツボ364>
     『無形の企業価値』

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<ツボの説明>

  財務諸表からは企業の価値を読み取ることはできない。
 なぜなら現代の企業にとって最も重要な資産は、ほとんど財務諸表には
 記載されていないからだ。

  財務諸表は「経営の成績表」として経営者がその企業の資産をいかに
 うまく使ったかを表すものであり、資産そのものの目録ではない。


  財務諸表に載っていない資産(目に見えない資産)は無形の資産である。

  その代表的なものが「ブランド価値」だ。

  SONYというブランドの値段は同社の財務諸表には記載されていない。

  また「顧客ロイヤリティの価値」も同様である。
 オーディオならSONYを買う。テレビもSONY、携帯もSONY。
 こういう優良顧客をどれくらい抱えているかによって、企業の収益力は
 大きく左右される。

  「社員の価値」は十分に大きいだろうか? 競合他社より有能な社員を
 数多く持っていることが、あらゆる面で競合企業よりも優位に立つための
 条件とさえいうことができる。

  「流通網や仕入先協力企業の価値」というのもある。
 日本の自動車メーカー躍進の原動力になったのは、「系列」とよばれる
 きわけてメーカー忠誠心が高い供給業者と販売店網であったことは、よく
 知られた事実である。

  昨今では「知的財産の価値」もその重要度が認識され、商標権や特許権
 あるいは組織内のナレッジといったものを体系的に管理しようという動き
 が活発になってきている。


  こういった目に見えない無形の資産こそが企業価値の根幹である。
 だからこそ、株式時価総額が帳簿上の資産価値の何倍にも達するような
 企業がいくらでも存在することになるのだ。

  昔から目利きの投資家はちゃんと、目に見えない資産の価値を評価した
 上での投資活動を行ってきたのである。


  反対に、近頃低迷する新興市場の諸銘柄のように、財務諸表の体裁を
 整えることに精力をつぎ込んできたベンチャー企業は、結局株価の維持
 に失敗してファイナンス余力を失ってしまうケースが続出している。

  無形資産をシッカリ育てることの方が、財務諸表のみてくれを美しく
 することよりも重要であることに、気づかなかったからである。

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