タイトルロゴ大山祐史の経営コラム




 <本日のツボ373>
    『ハネムーン・ハングオーバー』

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<ツボの説明>

 「ハネムーン・ハングオーバー」とは「ハネムーン後の幻滅」と訳される。

  組織での活動(つまり仕事)において、満足度の低いところにいた者
 には、異動または転職によって高い職務満足がもたらされる。

  しかしそのような高い満足度は、新しい職場での勤続が長くなるにつれ
 て、徐々に低下してゆく。

  「満足度の低い職場から脱出すること」が異動や転職という行動に強い
 動機を与えている場合、新しい職場から得られる大きな満足感自体も古い
 職場から離れることができたという現実に由来しているため、時間の経過
 とともにその満足度が薄らいでいってしまうことは容易に想像できる。


  新卒新入社員の場合も同様の現象が見られる。

  「理想」や「達成感」、「自己の確立」といった動機によって社会人に
 なる道を選んだ者が、その動機を時間とともにすり減らしてしまい
 幻滅に陥ってゆくというプロセスである。


  様々な職業を経験することによって自らの資質を向上させてゆくという
 考え方もあることはあるが、動機が擦り減ってしまった結果として幻滅を
 生じ転退職に至ってしまう場合、動機自体の整合性を検討しなおさないと
 同じプロセスを何度でも繰り返してしまうことになりがちだ。

  ハネムーン後の幻滅というくらいだから、この作用は比較的短時間の内
 に影響が現れると考えて良い。2〜3年以内で新しい仕事に嫌気が差して
 しまうというようなケースでは、この作用が存在している可能性がある。


  自身が持っている価値観の本質がどのようなものであり、その価値観に
 見合った仕事はどこにあるのか? その問いを繰り返しながら、周囲では
 なく自分自身の中身とマッチする仕事を選ぶ必要がある。

  大手企業では来春の新卒採用者が固まった時期であるが、雇用する側と
 しても、この動機の本質と現実との間にギャップが存在することを認識し、
 そのギャップを軽減するための教育プログラムを周到に準備する必要が
 あることは言うまでも無い。


  実際の男女間の人間関係においても起りうる作用であることは、
 もっと言うまでも無い。余談。

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