タイトルロゴ大山祐史の経営コラム




 <本日のツボ378>
    『逆張りではない』

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<ツボの説明>

  ここのところ1ドル110円台半ばという為替の水準が続いており、
 「円の強さ」を享受することができなくなりつつあります。

  ガソリンや小麦などの高騰は、世界的に需給がタイトになっていること
 に加えて、この為替水準によるところも大きいのです。

  外国の高級ブランド品なども、一時ほど割安感がなくなりました。


  反面、輸出企業の業績は好調が続いています。

  1ドル90円でも利益を出すことができるほどの収益力がある企業
 にとっては、1ドル114円という環境ならもうかって当然です。

  好調な成長を続ける外国マーケットに、円安という武器を使って切り
 込み高収益を持続しているのです。

  輸出産業はもうかり輸入業者はもうからない事態になっているという
 ことができます。


  普通に考えると、こういった状況では国内の生産力を活かして輸出に
 活路を見出してゆくというのが一般的な戦略に思えます。

  しかし、非凡な経営者はそうは考えません。

  「みんなと同じじゃつまらないから、逆のことをやってみよう」という
 わけではありません。経営はギャンブルじゃないですから、優秀な経営者
 は、決して山勘で逆張りすることなどありません。

  なぜそう考えるのかというと、現状のような輸出企業にとってピーク
 ともいえる外部環境は、いずれ揺り戻しがおこって逆風に転じることが
 わかっているからです。

  したがって、今のような状況で国内のマーケティングと販促に注力し、
 海外の生産能力を向上させてゆこうとすることは、時代に逆行した逆張り
 ではなく、先取りした行動と見ることができます。


  中小企業の海外投資は一時のブームがウソのように沈静化しています。

  これは、輸出企業にくっついてゆくか自らが直接輸出比率を高めること
 で経営を維持してきた結果です。

  今やるべきことは、現状の外部環境が逆方向に振れたとき、自社の収益
 体質がどのように変化するかを見極め、悪い変化が予測された場合には
 それに対する対策を考えることです。


  円安が続いているときというのは、海外への生産移管などを検討する
 絶好のタイミングなのです。

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     アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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