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 <本日のツボ95>
     『たかが箱』

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<ツボの説明>

  ごくたまに、コンビニでお弁当を買ってきて食事をすることが
 あります。

  そういうときは決まって、食べ終わった後に残ったプラスチック
 系ゴミのあまりの多さに愕然とします。

  容積としては買ってきたよりも多いのではないかと思うくらい
 の不燃ゴミの山を見ると、「こんなゴミの出し方を続けていたら
 近々日本は住むところがなくなっちゃうんじゃないか」と真剣に
 心配になります。

  この「プラスチック多用梱包」がコンビニ商材の特徴のような
 気がしてしまいます。


  そういう目で見てみると、量販店やホームセンターの商品にも
 そのパッケージに特徴が見られます。

  それは、「箱や台紙にカラー写真が印刷してあって、説明や能
 書きがやたらとたくさん書いてある」ということです。
  シンプルな無地箱の商品というのは意外と少ないものです。

 売る場所とパッケージのイメージとの間に、何らかの関連がある
 といっても良い状況です。


 こうなってくると消費者の側には、パッケージのイメージと普段
 売っていそうな場所を関連付けてその商品のヴァリューを連想す
 る習慣が生まれてきます。

  これは、毎日繰り返し体験することによって消費者の中に刷り
 込まれる、無意識の反応行動です。


  メーカー側が「消費者にわかりやすい説明をしなければ売れな
 い」と思い込んで一生懸命作っているパッケージデザインが実は、
 消費者の側からすると「量販店でよく売っていそうな商品=普及
 品」という価値判断に結びついている可能性が高いのです。


  このことを逆手にとって、パッケージデザインだけで価値観を
 演出し、量販店価格の倍〜数倍の販売価格をつけている商品とい
 うものがあります。

  桐箱入りの和陶器、和紙の箱に入ったお菓子、こういったもの
 からは「セール品」というイメージは連想されません。

  高級ブランド品は、めったに写真入りのカラー印刷箱には入っ
 ていません。


  過剰梱包でやたらとゴミが増えるというのは逆効果ですが、手に
 入れたときに、「おっ!」と思うほど気の利いたパッケージングが
 なされていると、商品のイメージ、会社のイメージが変わってきます。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


  本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
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