タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


   <本日のツボ243>
    『自然発生への転換』

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<ツボの説明>

  「わざとらしさ」がマイナスに働く傾向が顕著になってきている。

  古くはねずみ講や豊田商事、最近では村上ファンドや近未来通信
 などなど、「もうかりまっせ」を前面に打ち出して商売をしている
 ところは、いつの間にか家宅捜索されたりトップが逮捕される。

  こうなってくると、「うちのやつはいいですよ」「わが社のは
 スゴイんです」といえば言うほど胡散臭さがにじみ出てしまう。


  他の要因もある。

  従来型のマーケティングデザインにおいては、マス市場へ情報を
 浸透させるためのインターフェースとして、少数の限定的なネット
 ワークを意図的にコントロールしてきた。

  多くの場合、イメージキャラクターとなる有名人の登用やマス
 メディアへの広告掲載といった手段でそれを実現した。
  ジャイアンツの選手を使ったオロナミンCなどがその例である。

  ところがネット時代になってからは、「どこにでもいる普通の人」
 が有名人と同じ役割を果たすようになってきている。
  口コミの投稿やブログの公開といった手段が新しいメディアと
 してますます重要になってきているのである。

  このことは、企業が自身に都合の良いように設計したイメージが、
 思惑通りに市場に受け入れられるとは限らなくなってきたという
 ことを意味している。


  このような環境の中では、企業は自らの立ち位置を考え直す必要
 に迫られる。

  新しい消費者との効果的な関係性を築くためのポジションは、
 自社の良さを情報として発信する最上流部にあるのではなく、消費
 者間のネットワークを繋ぐ役割を果たすことができる場所という
 ことになる。それは、ごく普通の消費者と同一の平面上にある。


  「うまくやろう」とか「どのように振舞ったら良さそうに見える
 だろうか?」という思考にとらわれていると、そのビジネス全体が
 ぎこちなくなり、いずれは胡散臭いものとなる。

  ここでも必要なことは、そういった殻を脱ぎ捨てて素で勝負する
 ということ。

  素で勝負できる状態になったとき、はじめて本物の評判が生まれ、
 それがあなたのビジネスを支えてくれる。


  「うまいこと口コミ情報を作ってやろう」という魂胆は、おそ
 らく永くは通用するまい。

  ミクシィ等のSNSも、所詮は企業がスポンサーとしてついて
 おり、そのような会社がマーケティングツールとして活用するため
 に運用されているものである。
  こういったツールを使うことは悪いことではない。しかしこちら
 の思惑通りに誘導してやろうとすることは、やめた方がいい。

  効果的な評判の形成は作為によってではなく、自然発生的なもの
 としてなされるからである。

  本当のことを全部さらけ出した上で、普通の消費者の感覚を
 淡々とネットワークに繋いでゆこう。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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