タイトルロゴ大山祐史の経営コラム



   <本日のツボ285>
    『人に焦点を当てる』

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<ツボの説明>

  技術の高さや優れた品質、万全のサービス体制など、自社の商品
 を売り込むためのセールスポイントがたくさんあって、それらを
 ネタにした広告をたくさん行なっているのに、売れ行きはあまり
 よくない。そんなときは広告の内容を変えてみるとよい。

  品質や技術・機能、サービスなどの水準が高いことを語り続けて
 も消費者が反応しないということは、もはや消費者の関心がそこ
 には無い可能性がある。

  いくら消費者にとって重要な内容であっても、同様な広告が世の
 中にたくさんありすぎるようになると、消費者はそれらの情報を
 特別視することができなくなる。どんなに優れた内容であっても
 消費者にとっては「無関心域」になってしまうのだ。

  また、メカニカルな機能や性能などのように、一部の男性消費者
 には非常に強いインパクトを与えることができるが、その他の一般人
 や女性にとっては「無関心域」にある情報であったりする場合もある。


  広告の内容を変えることで、もう一度関心を広げてみよう。

  変えるのはその広告が「何に焦点をあてて作成されているか」
 という点。

  品質・技術・デザイン・機能・性能・サービスといったものを
 語ることは、いわば「もの」に焦点をあてたやりかたである。

  「もの」のかわりにまず焦点を当ててみるべきなのは「ひと」
 に対してということになる。

  その商品を買った人の感情がどのように動くか。どんなに楽し
 いか。その人の生活にどのような変化をもたらすか、などについて
 実例を挙げて説明してみよう。


  DIY店で性能が良い「電気のこぎり」を買いたいと考えている
 人は、切れ味がいいから買いたいわけではなく、それによって日曜
 大工の作業が「楽になる」「楽しくなる」とか、作品の出来が良く
 なることで「自分が嬉しい」「家族が感心してくれる・褒めてく
 れる」といったことを期待している。

  カツラの装用を検討している人は、カツラの接着力の強さよりも
 カツラを装用することで自分の生活や人生にどのような好影響が
 もたらされるかという点に関心がある。


  そのような、買った後の生活・場面やその素晴らしさを具体的に
 に提示することができる者が、すぐれたマーケターなのである。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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