タイトルロゴ大山祐史の経営コラム


  2007年7月3日



 <本日のツボ356>
    『ミスマッチを解消せよ』

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<ツボの説明>

  効果的な広告戦略の基本中の基本は、商品と対象顧客(ターゲット)、
 そこへ届けるメッセージ、そしてそのために用いる手段(メディア)という
 4者をマッチングさせることだ。


  大企業といえども、この基本を忘れてまちがいを犯すことがある。

  コンパクトカーの宣伝に「スペシャリティ」的なメッセージを用い、
 テレビコマーシャルという媒体で流す、という手法にチャレンジしている
 ニッサン自動車。

  「コンパクトカーを大衆車市場へ」という従来型の発想では苦戦を余儀
 なくされる。よってターゲットを思い切って振ってみる。という考え方は
 わかる。

  しかし、コンパクトカーのターゲットとして「ちょい不良オヤジ」を選び、
 レオン&ニキータとか艶男(アディオス)艶女(アデージョ)というメッ
 セージを送るという手法には、「斬新さ」よりも「やけくそ」を感じて
 しまう。

  確かに「あえてコンパクト」に共感する大人はいると思う。そういう
 大人の感性の中核には「環境配慮」や「現実的な合理主義」、それらに
 価値を見出せる「ノーブルさ」といった価値観があるのだが、ストレートに
 そういうメッセージで勝負できないところに悲しさが漂う。


  基本的に、商品と対象顧客、メッセージ、メディアの4者に大きな
 ミスマッチが存在する広告は効果が薄い。

  冒険的に「あえてミスマッチ」を狙うことはギャンブルだ。「窮鼠猫を
 咬む」心境でギャンブルに打って出たのかどうかはわからないが、日産
 「ティーダ」の新車登録台数の推移からしばらく目が離せない。


  詳しくは「日産ティーダ 艶やかコンパクト.com」をご参照下さい。
<このサイト↑は、残念ながら2007年9月末をもって閉鎖されました。
 いいサンプルだったのに。 閉鎖は私のせいではないと思います。>

  日産のWebコンテンツとしては良くできています。問題はコンテンツ
 (メッセージ)と商品がマッチしていない点。

  今後このミスマッチをどのように解消してくるのか、日産の商品・広告
 戦略に要注目です。がんばれニッサン。

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