タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

  2007年7月24日



 <本日のツボ363>
     『地方金融』

-----------------------------------------------------
<ツボの説明>

  「景気は回復に向かっている」とはいえ、地域間格差はあきらかであり
 地方では景気回復などまったく実感できないと感じているところが多い。

  金融機関の融資姿勢にも格差が現れており、都市銀行は潤沢な民間資金
 の使途として企業向けの貸し付けを積極化しようとしており、一部では
 貸出競争的な状況になっている。

  一方地方銀行は、伝統的に預金超過の傾向があるとは言うものの、昨今
 ではその傾向がますます顕著で、資金の出口は国債の購入かインターバン
 クを通じて都市銀行に融通され、都市の大企業に貸し付けられるかしか
 ないといった状況のようである。

  地方の人がせっせと貯金しても、その金は都市銀行経由で大企業に渡る。
 大企業はその金を使って、地方に大型スーパーをつくりまっくてきたのだ。


  地方銀行が地元での融資を増やせないその理由として「地方の産業には
 資金需要が無い」などといわれているが、本当にそうだろうか?

  個人的につきあいがある地方の中小企業の社長さんがたの中で、「資金
 繰りにはゆとりがある」といっている方は皆無である。

  現実的には「もっと貸して欲しい」と考えている企業がたくさんある
 ということだ。


  もっとも、金融機関の貸出姿勢や低い事業評価能力ばかりに責任を
 押し付けるわけには行かない。

  大都市の需要ばかりに眼を向けて(国内)輸出にのみ精を出し、地方に
 おける付加価値創出ができていない地方産業そのものにも問題はあるし、
 そういった問題の改善や、地方におけるリレーショナルバンキングの推進
 等に貢献できていなかった我々コンサルタントにも責められるべき部分が
 ある。


  今般、独立行政法人中小企業基盤整備機構では「地域資源活用企業化
 コーディネート活動等支援事業」を立ち上げ、今年度から活動を開始
 することとなった。

  遅ればせながら地方独自の地域資源から付加価値を生み出し、地域間
 格差を解消しようという狙いがある。

  併せて、地方金融の正常化など地方中小企業の経営に寄与できる諸施策
 の整備も進められている。

  どちらも役人仕事でわかりづらいところがあるが、せっかくできた制度
 なのだから、趣旨に沿った使い方をしてゆかないともったいない。

-----------------------------------------------------
 <推奨書籍「君に成功を贈る」>
 
東郷元帥、松下幸之助、稲盛和夫…、戦前戦後、各界の頂点を極めた
 成功者達が、なぜ《生涯の師》として心服したのか…。魂に直接語り
 かけてくる《人生成功の秘訣》を誰にもわかりやすく、しかも面白く
 解き明かした感動の書。発刊以来、一括買いが集中する注目の書。

   http://www.jmca.net/books/kimini
定価:1,890円(税込)のところ、特別割引価格1,837円(税込)

     アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


       本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
       限りにおいて、引用・転載は自由です。