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 <本日のツボ38>
    『事実重視の意味』

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<ツボの説明>

  「事実を基にして決断を下さないと、過ちを犯す可能性が
 ある。だから私は常に事実を示す情報とデータを重視する」

  というのは非常に立派な考えだと思います。

  三現主義などといって「現場」「現物」「現実(事実)」を
 重視して仕事をすすめることは、正しい経営判断を下す上で、
 効果的な方法だといえます。

  しかし、世の中に「これは確かに事実だ」といえることが、
 はたしてどれくらいあるでしょうか?

  「世の中ですでに起こったことは、全て事実ですよ」という
 こともできますが、そうであるとすると、周り中が事実だらけ
 ということになりますから、ますます我々は「どの事実」を確
 認しながら判断をすればよいのかわからなくなってしまう、と
 いうことになります。


  実際には、世の中で既に起こったことを全部自分の目で確か
 めるということは不可能なので、「情報」や「データ」という
 二次的なもので代用しようとするわけですが、この世の中には
 事実を100%あらわす情報とかデータといったものは、ほと
 んど存在しないというのが現実です。

  それでも、本当の事実に少しでも近づくための情報収集に
 最大限の努力をはらうのは必要なことですが、そのときに、
 「事実が100%わかるということはありえない」ということ
 を念頭に入れておかないと、いつまでたっても「決断を下す」
 ことができなくなってしまいます。

  それだけに、適切なタイミングで決断を下すためには、情報
 やデータの収集を速く行なう必要があるのです。


  事実重視とは、絶対的な事実にこだわることではなくて、
 制限時間内に、判断材料となる情報やデータをできる限り多く
 集めることをいっているのです。

  「風通しの良い組織」 や
  「透明性の高い組織」 が
 効率が良いとされているのは、この情報やデータの流通速度と
 量が十分に確保されているからだ、ということができます。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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