<本日のツボ109>
『愚直なまでに鋭敏な』
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<ツボの説明>
結局「一攫千金のノウハウ」というものは存在しないので、あ
りきたりのことをコツコツと実践してゆくということがビジネス
の正体なのですが、そのようにして成功された方々に接するのは
まことに清々しいものです。
そういった方々は一様に謙虚で、「愚直にやってきただけです」
などといった言葉を口にされるのですが、この愚直さが内向して
いないところに非凡さを感じます。
私のような凡人が愚直を実践しようとするときには、ついつい
自分の内面に目を向け、自身の信念に忠実に、ときにはそれに「
真摯に」とか「誠実に」などを付け加えることのみを試みてしま
います。
しかし愚直に成功されてゆく方々は、外界に対してより鋭敏です。
顧客の視点に立って考えることに対して愚直です。
今この瞬間にも変化が起こっていることを前提にし、つねに外
の風を感じられる体質ができあがっています。
競争相手の価格に変化はないか?
自社の社員の心境や態度に変化はないか?
自社製品の品質は維持されているか?
ライバルの戦略が新しくなっていないか?
顧客の嗜好は今どうなっているか?
自社に対するお得意様の評価は下がっていないか?
自社と同じビジネスを新たに始めたものはいないか?
自社の製品・サービスに取って代わるものが現れていないか?
仕入先の対応に変化はないか?
原材料の市況に変化はないか?
為替相場に変化はないか?
こういった項目をチェックするという行為にはなんの目新しさ
もありませんが、人間というものは実際に問題が発生するまで、
自分が置かれている状況に疑問を感じることができにくいという
性質があります。
外界に対する感性を愚直なまでに鋭敏に維持し続けることは、
とても非凡なことと感じられます。
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アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
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