<本日のツボ147>
『財務データと業績の関係』
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<ツボの説明>
業績がいい会社は、財務諸表に現れる様々な指標も良好な値を
示す、という話ではありません。
中小企業庁による「経営者の意識調査アンケート」で「決算書
をどのように活用しているか」をきいた結果。
回答企業を「業績好転企業」と「業績悪化企業」とに分けてみ
た場合、「業績好転企業」はその87.1%の経営者が「過去の
売上と利益について比較を行い、その推移を確認している」と
回答しています。
売上と利益の推移を見てゆくことが業績UPにつながる、とい
うことではありません。
というか、これをみていない経営者が13%もいることのほう
が驚きです。
この項目は、「業績悪化企業」の経営者でも、その81.0%
が「みている」と答えています。
好転と悪化との差はわずか6.1%です。
売上と利益の推移をみているだけでは、「決算書を経営に役立
てて業績UPに結び付けている」とは言えないのです。
では、決算書のどのような点を見て行くことが経営にとって
プラスになるのでしょうか?
上記のアンケートによると
1.「決算書の分析に基づき、売上計画など事業計画を策定して
いる」が、
「好転企業」49.4%、「悪化企業」33.0%、差16.4%
2.「適正在庫レベルや収支状況の把握・分析を行なっている」が
「好転企業」46.9%、「悪化企業」31.2%、差15.7%
3.「基礎的な経営指標を算出し確認している」が、
「好転企業」50.5%、「悪化企業」37.7%、差12.8%
4.「貸借対照表の借入額の推移を確認している」が、
「好転企業」62.9%、「悪化企業」50.5%、差12.4%
などとなっています。
この4項目を併せると、「基礎的な経営指標・在庫状況・収支バ
ランス・借入金額 を確認し、それらの分析を基に事業計画を策定
する」ということになります。
これが意味することは、経営の歯車が狂い始めたときというのは、
こういった項目のどこかにそのサインが現れるものだ、ということ
です。
現に「倒産企業」の倒産直前の状況をみてみると、「売上の減少」
以外に、「在庫の増加」や「自己資本比率の低下」「流動性の低下
(流動比率・当座比率の低下)」「借入金の増大」といった現象が
共通して見られます。
これらはありきたりの指標ではありますが、経営者自身がこういっ
た指標の意味を正しく理解し、悪化した場合には素早く対策を打つ
といった基本的な行動パターンが、会社経営上有効であることを示
しています。
「初心に返る」ことや「基礎を大切にする」ことは、経営にとっ
ても意味のあることなのですね。
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