<本日のツボ161>
『デフレ脱却に差し掛かるにあたり』
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<ツボの説明>
景気動向一致指数が3ヶ月連続で50%を上回るなど、全般的
な景気回復を示す傾向が続いています。
これは当然喜ぶべきことですが、ちょっと気をつけてみておき
たいことがあります。
消費者物価指数が6月までの3ヶ月間連続で前年同期を上回り
ました。
「デフレ脱却」というわが国経済当面の課題が解決に向けて動
き出したと見ることもできますが、まずいことに企業物価指数は
28ヶ月連続で前年を上回っています。
しかも、6月の数字で言うと、消費者物価指数のほうが前年比
+0.6% だったのに対して、企業物価指数は同+3.3%と
上昇幅に差があります。
これは、今回の「デフレ脱却」のメカニズムが、民間の消費意
欲が活発になったことによって需給が引き締まり、物価がゆるや
かに上昇するという「マインドプル・インフレーション」ではなく、
エネルギーや原材料等の値上げによって製造コストが上がり、
その結果物価に上昇圧力が加わっている「コストプッシュ・イン
フレ」であることを意味しています。
受給が引き締まっていないということは、自然な消費増による
稼働率の上昇や在庫の減少はあまり期待できないということです。
まだまだ予断を許さない局面ですので、在庫計画などは今まで
以上に慎重に策定する必要があります。
企業物価(つまり仕入れコスト)が大幅に上昇していますから、数量
ベースで同じ在庫を抱えていたとしても、金額ベースでは2年前よりも
20%以上上昇している可能性があることに留意してください。
売価還元法など、売価ベースで在庫評価を行なっている会社の
場合、貸借対照表上の在庫評価額の増分と実際の投下資金の増分
とがリンクしませんので注意が必要です。
これを考慮しなかったために資金ショートに陥っている企業が
目立ち始めています。
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アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
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