<本日のツボ163>
『お金の動きの見方』
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<ツボの説明>
8月というのは、多くの業種にとって端境期(はざかいき)で
あり、レジャー産業とお坊さん以外の人は、あまり仕事がない状
況になりがちです。
暇にしていてはもったいないので、資金運用表などを作って
みましょう。
損益計算書や貸借対照表などは日ごろから見慣れている経営者
の方でも、資金運用表というと意外に、その作り方や見方につい
てよくわからないという方が多いものです。
簡単に言うと、財務諸表の費目を固定資金と経常資金とに分け、
それぞれについて、資金の調達と資金の運用の実績を明らかに
するものです。
現物の表をお見せしながら説明すれば簡単なのですが、ここで
は文字しか使えないので、具体例を挙げておきます。
<固定資金・調達>
キャッシュ収益
税引前利益、減価償却費、引当金 など
その他
長期借入金、社債 などの増加
<固定資金・運用>
固定資産の形成
機械設備、土地、建物、車両などの取得
決算資金等
税金、配当金など
<経常資金・調達>
仕入債務(買掛金、支払手形)、割引手形、
短期借入金などの増加
<経常資金・運用>
現預金や有価証券、売上債権、棚卸資産などの増加
調達とは、何によって資金が生み出されているかを意味し、
運用とは、その資金の使いみちを示しています。
「こういう項目に分けなければいけない」という決まりがある
わけではないので、会社によってもっと細かく分けたり、取りま
とめたりというのは自由に決めてかまいません。
そしてこの4つの項目のバランスを見ます。
すると、会社の中でのお金の流れが見えてきます。
注意して見るべきポイントも会社によって色々ですが、おおむね
共通して注目しておくべきなのは、
1.固定資産の形成に使った資金はどこで調達しているか
キャッシュ収益でまかなわれていることが安定性の条件です。
経常資金として調達された資金が設備投資に使われてしまうの
はまずい状態といえます。
2.経常資金内のお金の流れ
なにか突出して大きな金額になっている項目はないか
たとえば「棚卸資産」が急に増えていたりするのは、資金の運
用(使いみち)としては要注意です。
3.固定資金−経常資金間での資金の流れはどっち向きか
固定資金の調達超過分(調達−運用)が経常資金の不足分
(運用−調達)を補うという方向なら問題ありません。
逆になっていると、資金繰りが苦しくなってくる前兆とみる
ことができます。
4.決算資金の水準は適正か
それ以外の資金は運用の結果が収益となって戻ってくる(調
達される)というビジネスサイクルの中にあり、お金が動く方
向をつかむことができるものなのですが、、決算資金だけは、
一度使われたお金は資金の垂れ流しとなり、二度と戻ってくる
ことがありません。
ここでは、配当金や役員賞与、税金などは、ビジネスに何の
貢献もしない死に金なので、少なければ少ないほど良い会社と
いってもよいくらいなのです。
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