<本日のツボ178>
『依存と自立の共存』
------------------------------------------------
<ツボの説明>
日本では、「依存と自立は対立関係にあって、依存がなくなれば
自立することができる」と考えられがちです。
依存と自立はトレードオフの関係であって、依存がゼロになる
こと = 自立すること といった図式です。
しかし実際には、十分な依存関係があってはじめて、その上に
自立が成り立ちます。
片親で育った子供がいつまでも、得られなかった方の親の愛情に
飢えてしまうように、依存が不十分なままそれを断ち切ってしまう
と、その後の自立を阻害する要因となることがあります。
会社の組織についても同様です。
組織メンバーがお互いにある程度の依存関係にある場合、その
組織の価値観や行動特性といったものに慣性が生じます。
慣性とは、「変わりにくさ」といったような意味合いです。
つまり、組織メンバーの依存関係は組織に「らしさ」を与える
ということです。
強みを「らしさ」(たとえば、「トヨタらしい品質の安定感」
とか、「アップルコンピューターらしいデザイン」)として安定化
させることができれば、組織が自立・存続する力は大きくなります。
家族関係でも会社の人間関係でも、「依存」を基盤としてうまく
用いることで、より強い自立を構築するすることができるのです。
--------------------------------------------
アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
限りにおいて、引用・転載は自由です。
|