<本日のツボ182>
『万が一の備えは役に立たない』
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<ツボの説明>
日本の会社で会議に参加させていただくと、どのような会社にも
会議のスタイルに共通の特徴があることに気づきます。
それは、会議の終盤に司会者が「それでは、他に何かありませ
んか?」と切り出すこと。
そしてそこから先の会議進行のパターンも、おおむね共通しています。
「なにかありませんか?」という問いかけに対する発言の多くが
五月雨式に「気づいたこと」を述べているということです。
「こんなことが起こった場合はどうするのだろうか」とか「こう
いう事態に対処する方法は考えているか」などと、細部にわたって
疑問を投げかけてきます。
こういった発言はほとんどの場合、争点が不明確で、対案を持
たない投げかけに終始している、というのが特徴です。
ただ、日本の会議は「日本的に民主的」なために、このような
投げかけも無視されることはなく、長々と議論されて一応何らかの
対応策が導き出されることが多くなります。
このような経緯をたどってできた対応策というのは、「万が一の
場合に備える」という性格のものです。
この「万が一の備え」は、ほとんど何の役にも立ちません。
最初から一万回に一回しか役に立たないことを想定して作られた
ものなのだから、ほとんど役に立たないのは当然です。
ところがなぜか、日本人はこの「万が一」を考えることが好き
なのですね。
会社の規模が少し大きくなると、この「万が一の備え」を仕事にして
しまったようなセクションや担当者が存在することすらあります。
そういう会社はたいてい、業績があまりよくありません。
経営者が気をつけなければいけないことは、あらかじめ会議の
争点を明確にしておくことと、「他に何かありませんか?」と
言わずに済むような進行にするということです。
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アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
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