タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


   <本日のツボ205>
     『非常識な順番』

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<ツボの説明>

  作文の基本は「起承転結」である、などということは小学校で
 教わる内容です。いわば、話をする上での常識的な順番です。

  営業マンが売込みを行なうときにも、通常はこの順番で話を進め
 ようとするもののようです。

  最初に、自分の商品の説明をして、次に価格提示を行い、使用例
 などを上げて関心を高め、最終的にご契約・お買い上げいただける
 ようにお願いする、などという流れです。


  世の中の多くの営業マンが、この流れに従って仕事を進めること
 を習慣としています。

  そのため、見ず知らずの営業マン(らしき人)から電話がかかっ
 て来た場合、その人たちの大部分はこのように切り出します。
  「XXXについて、お話をさせていただきたいのですが・・・」

  一番最初の、「起」の部分をさせてもらうためのお願いを、一生
 懸命行なっているわけです。

  本来の目的は買ってもらうことであって説明させてもらうこと
 ではないのに、説明させてもらうためのお願いに多くの時間と労力
 を費やしています。

  「悪いけど興味ない。頑張ってね」といって電話を切りながら、
 「あ〜あ、もったいない時間の使い方してるなー」と感じます。


  優秀営業マンと呼ばれている人たちには、この「起承転結」の
 順番をわざと壊したやり方を採用しているケースが多く見られます。

  たとえば、
  「こんちわ。今日はコレを買って頂きにまいりました。」
                  こんな台詞から始まります。


  「お話しさせていただけませんか?」という質問をした場合、
 相手は「いやだよ」と断る返事を自然に口にすることができます。

  忙しいときだったりしたら、ほぼ100%拒否の回答をします。


  一方、「今日はコレを買って頂きに来たのです」という言葉は、
 質問ではありません。

  質問ではないので、相手は、Yes・Noでは返答できない。
 「いやだよ」という言葉を返すことは日本語的に不自然です。

  かなりの確率で「どういう意味?」とか「どうして?」という
 反応を引き出すことができます。

  一瞬にして、お客さんの関心を引き出すという「起と承」の部分
 の役割を完了させてしまったことになります。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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