タイトルロゴ大山祐史の経営コラム



   <本日のツボ211>
   『依存パターンから脱却せよ4』

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<ツボの説明>

  組織の効率性と組織内人間関係とは無関係ではありません。

  このとき着目するのが、社長と従業員(上司と部下)の間にある
 依存関係です。

  ここでは、この上下の依存関係を4つのパターンに類型化して
 説明します。


  四つ目は「上下の依存関係が存在しないパターン」。

  上司と部下、お互いが相手の意思決定と行動のパターンを熟知
 しているので、普段は分業的に協働しているが、万が一誰かが欠け
 た時でも、お互い補完しあって問題なく仕事を進めることができる
 状態です。
 
  高度に共有化された情報と組織理念と、組織構成員の高いスキル
 が前提となります。

  一人ではできないから集団で行なっているわけではなく、組織で
 動いた方が効率的だからそうしているのです。


  実は、創業されたばかりの会社では、経営者が何でも一人で行な
 わなければならない状況になることがよくあります。

  それがあまりにも大変なので、人を増やしてゆく。

  その繰り返しで組織は大きくなってゆくのですが、その過程で
 業務が細分化され専門化の程度が高くなってくると、組織間やその
 構成員の間に依存関係が生まれ易くなってきます。

  組織をつくり大きくしてゆく過程では、効率性と同時にその依存
 関係を意識しながら行なうべきなのです。


  たとえば、「単純作業なのでパートタイマーにやってもらう」
 という事を実施した場合、最初は正社員がパートさんに仕事を教え
 ながら作業を進めます。この時点では、正社員とパートさんが相互
 に依存しあう関係となります。

  しかし時が経って、それが「パートさんにしかできない作業」
 になってしまった場合、その仕事はパートタイマーに依存した仕事
 になってしまいます。

  そうならないために会社は、マニュアルや作業指示書を作成して、
 常に作業の品質や効率性を管理できるようにするわけです。


  日ごろから、スキルや思考の標準化と共有化を心がけることで
 いびつな依存関係を作らないようにすることが必要なのです。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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