<本日のツボ215>
『原因よりも課題』
-------------------------------------------------
<ツボの説明>
問題点の改善や、クレームへの対応を考えるにあたって、まず
最初に「原因をつきとめよう」とする方法がある。
たしかに「根本的な解決」「再発防止」といった目標に対して、
原因を明らかにしてそれを取除くことは、有効なアプローチだ。
だが、「原因をつきとめる」ための作業や思考は、ともすると
「犯人探し」に陥りやすい。
「何が原因か」という議論と「誰の責任か」という議論がゴッ
チャになって、結局は人間不信や組織間対立という最悪の結果に
結びつく。「改善」どころの騒ぎではない。
このような議論の際に中心に据えるべきなのは、
「実現すべき課題は何か」という視点。
「原因追求」が過去を振り返る作業であるのに対して、「課題の
明確化」は未来志向の思索である。
いうまでもなく、過去を変えることはできないが、未来の方向性
は自分たちで決めることができる。
ダメ社長は、問題が発生したときに「すぐに原因を突き止めて
報告しろ」と指示する。自分は蚊帳の外だ。
生きる組織のトップは、直ちに責任の所在は自分であることを
表明する。そうすることで、部下たちは「犯人探し」をする必要が
無くなる。
問題を解決するには、「本来、どのような姿であるのが理想的か」
を描き、それを実現するために「実現すべき課題」を見つけること
に集中しよう。
-----------------------------------------------
アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
限りにおいて、引用・転載は自由です。
|