<本日のツボ255>
『サービスの課題』
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<ツボの説明>
サービス業が商材として取り扱う「サービス」というものには、
「需要の時期的集中」「無形性」「非貯蔵性」「供給と消費の
不可分性」「労働力依存度が高い」といった特徴があることを
昨日説明しました。
「サービス」にはさらに、「不可逆性」「異質性」という特徴も
あります。
不可逆性とは、受け取った商品(サービス)が気に入らないから
といって、他のものに取り替えてもらったり、返品してお金を返し
てもらったりすることができない、ということです。
異質性とは、サービスというものは基本的に、供給する側と受け
る側がマンツーマンでコミュニケーションするその瞬間に価値が
生まれるものです。そのため、いつ・どこで・だれが・だれに・
どの様に 施すかによってその内容や質が変化しやすいということ
を意味しています。
サービスにおけるマーケティングでは、このような特徴を踏まえ
たうえで、それらが持つ問題点をどのように緩和してゆくかという
ことが課題となります。
床屋ネタの連続で恐縮ですが、あるとき床屋の入っているビル
のポンプが故障して水道が使えなくなったことがありました。
私はシャンプー中だったのですが、店の人は隣のビルから水を
もらってきてヤカンで湯を沸かし、それを洗面台にためて私の頭を
ゆすいでくれました。
シャワーで十分に流すことができなかった上にいつもより余計
に時間がかかってしまい、結果的に「異質」なサービスになって
しまったわけですが、お店の人は「ご迷惑おかけしてすみません」
といって500円おまけしてくれました。
水道が使えなかったためにサービスが異質なものになってしまっ
たことを認識し、さらに不可逆性がありますから、正常なものと
お取替えすることもできません。よって「500円おまけしときます」
というのが精一杯の対応だったのでしょう。
サービスの提供者は床屋の店主さんだけではありません。
あらゆる階層のサービス担当者が、その特徴と問題点を認識して
適切に対応することができるかどうかは、個人個人の資質にゆだね
るべき問題ではなく、チーム(組織)の課題として捉えるべきです。
もうひとつ大事なこと。
サービスというのはサービス業だけが提供しているわけではなく、
製造業であっても販売業であっても必ず何らかのサービス提供を
行っており、それが顧客満足を形成する一要素となっているという
ことを忘れてはいけません。
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アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
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