タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


   <本日のツボ256>
    『銀行のやり方の見方』

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<ツボの説明>

  都市銀行各社が資産運用やローンの相談等で来店する顧客向けに
 ネット上で事前予約を受け付けるサービスを提供するという。

  こういった「予約制の導入」というのも、サービス需要の時期的
 集中に対応する施策のひとつと言うことができる。

  従来、顧客サービスの向上という視点を欠いていた日本の銀行
 業界は、最近こぞって「利用者サービス向上」とか「顧客満足度」
 といったキーワードを用いるようになってきた。

  淘汰・選別や統廃合を経て、銀行はその絶対条件である「安心感」
 以降のあらたな企業イメージを醸成してゆく過程に入った。

  「基本的に金貸しはきらい」という庶民感情に対抗して、資金の
 借り手のみならず一般の小口預金者ひとり一人にまで、その利便性
 と有用性をアピールしてゆくことが課題となる。

  つまり銀行は、リテールマーケティングという未知の分野に乗り
 出してゆこうとしているわけであり、その規模と人材にものを言わ
 せて卓抜した取り組みを行うことができる可能性を持っている。

  冒頭の「予約制の導入」にしても、運用やローンの相談にとど
 まったのではもったいない。利用者がより一層の不便を感じている
 点、たとえば五十日(ごとうび)や月末のATMの混雑振りや、
 ちょっとした送金や振り替えにかかる時間の長さなどに、今後どの
 ような対策を行ってくれるかを楽しみにしている。


  今後銀行が打ち出してくる様々な施策に対しては、サービスマー
 ケティングの視点でその意義を考えてみると、その他のあらゆる業種
 にとって参考となる手法や考え方を見出すことができる。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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