タイトルロゴ大山祐史の経営コラム


   <本日のツボ264>
     『原則に戻る』

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<ツボの説明>

  ときおり「値決めの方法がわからない」という相談をうけること
 があります。

  「世間相場や競合他社との比較で値決めをしていたら、決して
 儲かるようにはなりませんよ」なんてことを言われると、とたんに
 「それじゃ何を基準にして値決めすればいいの?」となってしまう
 ようです。


  値決めに限ったことではありませんが、商売の原則は「出てゆく
 金より入ってくる金を多くすること」です。

  商売を始めたばかりの頃には、誰もが必ずこのことを意識して
 いるものです。「今日の収入はいくらかな? 仕入れにはいくら
 かかったかな?」というように、日々のお金の出入りを気にして
 いたはずです。

  それがちょっと商売が大きくなってくると、掛けによる売り買い
 や設備投資なんかが始まり、とたんにわからなくなってくる。

  会計帳簿を作っても、「現金はないんだけど利益が出てることに
 なってるからまあいいや」などという見方しかしなくなってきます。

  税理士さんの説明は「ここの在庫が増えていますからね。それと
 売掛金が増えているので流動資産が・・・・」なんてことをいわれ
 て、途中で聞いているのがいやんなってきちまう、というような
 ことが起こります。

  こんな感じで何十年か業暦を積み重ねると、いつの間にか販売
 価値はゼロなのに帳簿価格だけは高い資産=幽霊資産 が積みあがっ
 ていて、一気に処理したら債務超過になっていたなどという笑え
 ない話が結構あるのです。


  帳簿上の利益なんかよりも、「今日いくら入ってきていくら
 使ったか」の方がよほど大切です。

  販売価格を決める際にも、この「入ってくる方を多く」を守れる
 ように決めることが絶対条件となります。

  ときどきこの原則に立ち返る習慣を持っていないと「そのうち
 大変なことに、なりますよ・・・」。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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