<本日のツボ28>
『専用化はヨコへ』
-------------------------------------------------
<ツボの説明>
安売り競争だけはしたくない。そこで、いろいろな能書き
を考えて、専用商品にしようと試みることになるわけですが、
何か良いアイディアは浮かびましたか?
この「XX専用」を考えるときというのは、商品の形態や
品質は基本的に変更されません。商品名やパッケージ、説明書
やチラシのキャッチフレーズといった部分だけが、元になる
商品とは異なる点になります。
元になる商品は既存の商品と同じですから、専用化を考える
ときに、既存商品の市場をもとにして、それをより細かく分割
してゆくことで専門化を説明しようとしても、なかなかうまく
ゆきません。
それは、テレビを「6チャンネル専用テレビ」と言い換える
るようなものだからです。
「テレビを観る人」という顧客グループを細かくちょん切っ
て「6チャンだけ観る人」というように細分化しても、もと
もとの顧客グループを小さく縮めることにしかなりません。
ここでの考え方はカニのように「横へヨコへ」です。
既存商品の顧客グループを規定している軸を、少しヨコに
ズラしてみるのです。
ちょっと難しいかもしれませんが、「業界内ではアタリマエ
とされていることをわざと否定的に考えてみる」というのが
一つの切り口です。
また、業界と無縁な「まったくのド素人さん」とディスカッ
ションしてみるという手もあります。
<例>
ドイツのバイエル社が「アスピリン」を「抗血栓剤」として
売り出しました。
従来、「アスピリン」といえば、「解熱・鎮痛剤」として
用いられていましたが、血栓が生成されるのを抑える働きが
あるため、「心臓発作を予防する薬」として売り出して、大勢
の患者さんが1日1錠消費する、という市場を作り出しました。
「顧客の軸をヨコにズラす」という感じがおわかりになりま
したでしょうか?
--------------------------------------------
アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
限りにおいて、引用・転載は自由です。
|