タイトルロゴ大山祐史の経営コラム



   <本日のツボ291>
     『移動年計』

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<ツボの説明>

  会社の経費の中に固定費というものがある以上、売上高がジリ
 ジリと低下していくような現象を放置することは命取りとなります。

  固定費は売上の大小にかかわらず、毎月(あるいは毎年)定期的
 に決まった額が発生します。会社が黒字になるためには、その固定
 費の額を上回る限界利益(売上から仕入や原材料費などの変動費を
 除いたもの)をあげる必要があります。限界利益の額は売上額と
 比例していますから、売上が一定以上ないと固定費をまかなうだけ
 の限界利益を稼ぐことはできなくなってしまうのです。


  実際の会社では、売上額は毎月変動するものであり、一本調子で
 増え続けてゆくなどということはまずあり得ません。

  そういうジグザグに上下する売上数字の中から、「売上低下」
 の兆候を見出すのに便利なのが、売上移動年計という指標です。

  これは、毎月その月までの過去一年分の売上高を合計し、その
 金額を時系列で比較するものです。折れ線グラフにしてみると見
 やすくなります。

  この移動年計のグラフが、3ヶ月連続で下降線をたどったときに
 売上が下降トレンドに入ったと判断するのです。

  これにより、半期の売上累計額や月次の対前年比較だけを行う
 場合よりも、早期に売上下降の兆候をつかむことができます。

  早めに兆候をつかんで早めに対策を打つことができれることが
 最大のメリットですから、手を打たずにただ見ているだけでは何
 にもならないのは他の指標と同じです。


  この移動年計は、事業部門単位や商品単位、顧客単位や担当者
 単位、地域単位など、細分化した売上に対して適用してゆくことで、
 その効果を高めることができます。

  景気変動などの外部環境に左右されない経営体質を作るために、
 営業部門の計画・戦略策定に活用してみることをお勧めしてる
 手法の一つです。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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