タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ312>
    『分化と統合』

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<ツボの説明>

  ハーバード大学のローレンス教授とロ−シュ教授は、組織が分化
 と統合をバランスよく実施できている企業ほど高い業績をあげる
 ことがきると指摘した。


  組織の分化とは、成長する組織体が効率を追求する際に、組織の
 構造が複雑化し機能や事業ごとに分かれて業務を担当するように
 なってゆくことを差す。

  企業が成長する過程においては、当然のようにこの分化が起る。
 夫婦二人で始めた商店が大きくなり、仕入担当や倉庫番として人を
 雇うようになる。やがて総務部や経理部ができ、支店や通信販売部
 などという組織が生まれてくるという具合である。


  ところが、さらに成長と分化を続けてゆくと、組織はその効率を
 向上させる目的で、分化の逆の過程をたどるようになることがある。

  それぞれ独立した複数の事業部門において、機能が重複するセク
 ションを統廃合して人員やスペースを節約したり、意思決定のため
 の調整作業を頻繁に必要とするようになった二つの部門を合併して、
 一人の責任者が統括できるように組み替える、といったことが行な
 われるようになるのである。この現象を、組織の統合と呼ぶ。


  環境適合性の高い組織は、この分化と統合を柔軟に繰り返すこと
 によって組織構造を変化させ、高い効率性を維持することができる。

  反対に、この「組織構造の柔軟性」が低い組織と言うのは、環境
 変化に対応する能力も低くなりがちで、効率の低下を招きやすい
 傾向にあるとされている。

  どのような目的の組織であっても、唯一最善の組織構造という
 ものは存在せず、最適な組織構造と行動は環境特性に応じて決まる
 という環境適合(コンティンジェンシー)理論の基本的考え方である。


  環境変化にさらされる機会が多い組織ほど、この分化と統合を
 迅速にうまく実行する能力が求められていることはいうまでもない。

  現代の企業の多くにとって、環境変化にさらされる機会が少ない
 とはいえないというのが現状である以上、分化と統合を前提とした
 組織構造の有機的な動きを、戦略的に組み立ててゆく必要がある。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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