タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ316>
    『サービス下請け』

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<ツボの説明>

  一昔前までは下請けといえば製造業であり、最終製品メーカーで
 ある大企業に、部品や資材を供給する仕事のことを言いました。

  最近では、製造に限らずさまざまなサービスがアウトソーシング
 されるようになり、サービス業でも下請け業務が売上の柱となって
 いる会社が多く見られます。


  この「下請け」という業態にはいろいろなメリットがあります。
 
  大企業が持っている業務プロセスのノウハウ(製造業なら品質
 管理や改善の手法など)の提供を受けることができることや、営業
 活動の手間がかからないことです。

  下請けに特化した会社なら、営業部を持たずに経営者のトップ
 セールスだけで受注を行なっているところも珍しくありません。

  このようなことから、大企業内にニーズがある業務に関しては
 独立起業が比較的容易であるため、下請けという業態で創業される
 会社の割合は大変高い現状にあります。


  さて、このように創業時には大いに助けとなる下請け仕事ですが
 問題は創業期に続く成長・発展のフェーズにやってきます。

  下請け仕事に対して発注元起業から支払われる代金は、ほとんど
 の場合時間の経過と共に漸減してゆくのです。

  製造業の場合は「経験学習効果」により累積生産量の増加に伴っ
 て製造コストが逓減してゆくので、その分を発注元企業に還元せよ
 といって年々発注単価は安くなってゆきます。

  経験学習効果は製造プロセスに作用するので、サービス業の場合
 は累積納入量が増加しても単位当たりコストはあまり低減しません。
  それでも、発注単価の減少は製造下請けと同様に起ります。

  そうなった場合、サービス単位あたりの固定費を削減する以外に
 利益を維持する方法がなくなるのですが、サービス業の場合は生み
 出す付加価値のほとんどが人出によって生み出されるものである
 ため、単位固定費の削減=一人当たり作業量(作業密度)の上昇
 という式がなりたってしまいます。よって、サービス員の過重労働
 で利益確保が図られることになります。

  このような現象が常態化した結果、組織が求心力を失って付加
 価値の源泉である人的資源が散逸し、業績がおかしくなってくる。
 あるいは、サービスの品質が低下し、顧客が離れてゆく。

  これが、創業期から成長期に移行する若いサービス業が最初に
 遭遇する淘汰の洗礼です。


  これを乗り越えることができる会社だけが生き残り、さらなる
 成長を果たすことが可能になるわけですが、その方法はどのような
 ものでしょうか?

  このメルマガの古い読者様なら様々なアイディアが浮かぶこと
 と思います。それが、こうやって継続学習した効果なのです。

  無限に続く値引き要求にどう対応するか。
 利益が減少し始める前に考えなければならない問題です。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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