タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

  2007年4月25日


 <本日のツボ329>
    『シニアマーケット』

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<ツボの説明>

  団塊の世代の定年退職が始まることにより、シニアマーケットに
 関することがマーケティングのテーマとして取り上げられることが
 多くなってきています。

  多額の退職金を手にした彼らがどのような消費行動をとるのか、
 さまざまな業界が固唾を呑んで見守り、また期待もしています。


  世の中のマーケターの多くは「退職後の団塊の世代の消費行動は
 積極的で、納得できるものなら高額消費も厭わない。したがって
 本物志向の高級品が売れる。」といった論調を展開しています。

  この世代を対象にしたアンケート調査などの結果も、消費意欲の
 高さをうらづけるものが多いようです。


  こういった調査結果を分析するときには、その調査内容(質問
 内容)に注目してみましょう。

  お金の使い道についての「希望」を尋ねられた場合、この「希望」
 を現実的な未来予定として捉える者は、「貯金」や「運用」を中心
 とした回答をするであろうし、「希望」とは夢のことであると考え
 る者は、現実を度外視して良い暮らしをすることを望むでしょう。

  そもそも、いい家に住んでおいしいものを食べて、良い洋服を
 着て暮らしたいなどという気持ちは、尋ね方次第でどの様な世代
 からでも引き出せる希望であると言えます。

  要は、表面的な回答結果だけをみて、実際の行動を予測するのは
 はなはだ難しいということなのです。


  マーケティングリサーチとは、単純に「好き・嫌い」や「希望」
 を聞くことではありません。しかし残念なことに、その程度のこと
 を聞きただすことを「消費者の意見をきいた」とか「顧客志向だ」
 と言い張るマーケターが多いと言うのが現実です。

  本当のマーケティング活動は、マーケットを構成する人たちと
 同じように考え、同じように行動できるようになるために行なわれ
 るものです。


  これは一マーケターとしての個人的な希望ですが、もっと未来が
 ある世代をマーケティングの対象とした方が楽しいし、永く活か
 せる成果が得られるのではないかと思います。

  あと数年すればハッキリすると思いますが、退職金を手にして
 その見返りとして仕事を失った人々の消費意欲というものが、今
 までなかったほどに盛り上がるという現象はなかなか起こりにくい
 と考えるのが自然です。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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