タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ328>
    『付加価値生産性』

-------------------------------------------------
<ツボの説明>

  付加価値生産性とは企業の生産性を表す言葉で、その企業が一年
 間の活動の結果生み出した付加価値を従業員数で割った数値です。
 付加価値労働生産性ともいいます。


  生産工場を人件費の安い海外に移転すると、この付加価値生産性
 がガクンと落ちることが多い。

  理由は簡単です。人件費が安いので工場の人員が多くなる。
 付加価値には人件費も含まれているため、人件費の安い国や地域
 では、どうしても一人当たり付加価値は低くなりがちという事情も
 あります。


  このようなケースでは、製造原価の絶対値にばかり目を奪われ
 て付加価値生産性の低下を看過していると、経営の根幹に支障を
 きたすことがあります。

  付加価値生産性が低いビジネスは、販売数量や原材料価格の
 ちょっとした変動の影響を大きく受けてしまいます。外部環境の
 変化に弱いのです。

  結局、そのビジネス全体が「安い人件費」という前提に寄り
 かかってしまうと、そのビジネスから「付加価値を生み出す力」
 を奪ってしまい、環境変化というリスクに対して脆弱なものに
 させてしまうのです。


  原価低減を狙って生産地域を変えるときには、販売時の粗利益率
 ばかりを気にするのではなく、生産部門を含めた付加価値生産性
 にも注目して、ビジネス全体の生産性が低下しないよう注意して
 おく必要があります。

 -----------------------------------------------
<PR>推薦書籍「最強のモノづくり」<PR>
 中国・アジアより、良いモノを安く速く、儲かるように造る…。営業・生産・
 物流・販売…の全部門にわたって、全体最適で利益を生み出す具体手法とは。
 これからのメーカー経営の方向性と世界と戦えるモノづくりを明快に提示。
 いまなお指名買いが続く、話題の経営実践書。
 http://www.jmca.net/books/monozukuri/ad.php?&id=129
定価:15,750円(税込)のところ、特別割引価格14,175円(税込)

 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


  本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
 限りにおいて、引用・転載は自由です。