タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

  2007年5月21日



 <本日のツボ341>
     『ベトナム情報』

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<ツボの説明>

  タイの人々はプライドが高く、自分たちの国を東南アジアで最も進んだ
 国であると自負している。したがって、周辺の国々に対しては、「自分
 たちの方が優れている」という見方をしがちだ。

  そんなタイの人々が「こいつらとは戦いたくない」と一目置いている国
 がベトナムである。

  「戦いたくない」とは、文字通り「戦争したくない」という意味。
 ようするに、アメリカ軍に戦勝した唯一の国として「強い国」であることを
 認めているわけ。


  そんなベトナムの変貌が著しい。

  たとえば上場企業の数。ハノイとホーチミンにある証券取引所への
 上場銘柄数は、2006年9月27日の時点でハノイ14銘柄、ホーチミン50
 銘柄であった。

  それがたった4ヵ月後の今年2月2日には、ハノイが86銘柄、ホーチ
 ミンが107銘柄へと急増している。

  むやみに上場を受け入れることが良いこととは思わないが、海外から
 のものを含めて投資資金が集まる環境になっており、その資金を必要と
 するような企業も急増しているということができる。


  5年ほど前に視察に訪れた際には、ハノイ飛行場の滑走路脇を水牛が
 歩き、ファシリティーの整った日系資本による工業団地にもまだまだ空き
 区画が目立っていたものだが、現在では日系はもとより、欧米系の
 デベロッパーによる工業団地もほぼ満員の状態で、さらに現地資本に
 よる新興工業団地の開発が盛んになっているらしい。

  なにしろ、およそ8千3百万人といわれる人口の60%以上が25歳以下
 の若年人口である。
  わが国と比べると、総人口は3/4程度しかないのだが、30歳以下の
 人口はベトナムのほうが1000万人も多いという状況でなのである。


  若い労働力が豊富だということは進出企業にとって魅力である。

  また、若い人口構成で経済成長が始まった国というのは、将来市場と
 しても有望となる可能性が高い。

  国民の大部分が仏教徒であることも、わが国の企業が関与する上で
 メリットとなる。


  ご承知の通り国を南北に分断されていた経緯から、南ベトナムの解放
 以降も工業は南部の方が隆盛である。

  それに対して政治の中枢は北部のハノイ市である。ハノイ政府が北部の
 開発により熱心になるのはいたしかたない。

  中小企業はともかくとして、大規模な開発や進出案件については北部を
 対象としたもの以外は認可されにくくなっているという情報もある。
 どこの国でも同じだが政治の思惑には注意が必要である。


  意外と知られていないが、中部の都市ダナンには工科大学があり、
 優秀なIT人材を輩出しているということ。

  まともな提携先を探すのが難しい中国やインドでオフショア開発を行っ
 ているソフトウェア開発会社も、今後この国に対する注目度を高めてくる
 可能性が極めて高いと見てよいだろう。

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     アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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