タイトルロゴ大山祐史の経営コラム




 <本日のツボ366>
     『怒鳴り飛ばす』

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<ツボの説明>

  感情にまかせて怒りをぶちまけるなどという行為は論外だが、組織の
 トップとして「怒鳴り飛ばす」のが有効な場合というのがある。


  たとえば、部下がミスを犯して取引先に迷惑を掛けてしまった場合。

  このようなときには、まず取引先にきちんと詫びた上で、ミスを犯した
 者を叱責したり諭したりして再発しないように対策を打つというのが
 基本的な対応だが、どうせ叱責するならタイミングとやり方を計算して
 有効に叱責すべきである。

  有効な叱責とは

  1.迷惑を掛けた相手の目の前で

  2.大きな声で短時間(5秒以内)に

  行うことにつきる。

  これによって相手方は、怒りの感情を表すタイミングを逸する。
 ミス自体を責める段階はこの5秒間で終結してしまうのだ。

  その後は、比較的すんなりと事後の対応についての事務的な協議に入っ
 て行けるケースが多い。

  その過程でトップとしての管理責任を表明して詫びたうえで善後策を
 検討する必要があるのは当然だが、以上のような流れとなった場合、
 当事者間に感情的なしこりが残ったり、信頼感を決定的に損なってしまう
 ような事態に至ることはまずないといってよい。


  さらに、

  3.事後、叱った部下に対して以上のような効果を説明し、「なぜ人前
    で怒鳴り飛ばされたのか」を納得させる

  ということを忘れないようにしたい。これによって部下は、叱られる
 ことにもビジネス上有用な意義があることを発見し、落ち込んだり意欲を
 失ったりすること無く次の仕事に取り組むことができるようになる。


  反対に、ただ責めることが目的で怒鳴ったり、社内や関係ない人の面前
 で叱責したりすることは、自身の人間性の低さを露呈することにしかなら
 ない。

  目的意識もねらいも何もない、単なる感情の発露であることが
 丸わかりになってしまうからだ。


  また、相手方に対して自身や部下を擁護するような説明をすることも
 避けるべきだ。

  これをやってしまうと、会社としての信頼を大きく損なってしまう
 可能性がでてくる。叱れないトップ=責任の取り方を知らないトップと
 みなされてしまうのである。

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