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 <本日のツボ85>
    『脱家族単位』

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<ツボの説明>

  日本においては今後、新たに形成される家族の数はあきらかに
 減少してゆくといえます。

  国勢調査の統計によると、「夫婦と子供」がいる家族世帯の数
 は昭和60年の調査をピークにその後減少を続けています。

  世帯総数は増加しているのですが、大きく増えているのは単独
 世帯(一人暮らし)と「高齢者夫婦のみ」という世帯です。


  人口の年齢別構成が高齢者側に偏っている、いわゆる少子化が
 すすんでいるということは周知の事実ですので、今後新しい家族
 が形成されるペースは鈍化してゆくと考えられるということです。


  経済成長というものは実は、家族数の増加に頼る部分が大きい
 ものです。

  それは、いままで「物」を消費することが家計の経済活動の中
 心であったことと、大型消費財は「家族」を単位として消費され
 るケースが多いという事情によります。

  住宅や家電製品、自動車といったものは、「一家にX台」とい
 う単位で消費(購入)されるという意味です。


  こうなると、「一人につきXグラム」といった単位で確実に消
 費される生活必需品を除いては、あらゆるものが影響を受けると
 いって差し支えありません。


  30年前に「家族の休日娯楽」という地位にいた「百貨店」と
 いう業態が一時苦しい状況にたたされたのも、家族数の推移とい
 う要因と無関係ではないと考えられます。

  現在この百貨店業界は「家族の娯楽施設」というポジションは
 捨てて、高級ブランド品に代表される「個人単位の消費」に的を
 絞った業態に変化を遂げています。


  会社や事業の将来を考えるとき、「脱・家族単位消費」という
 視点も持っていたほうがよいと思われます。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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