<本日のツボ86>
　 　『シルバーマーケットに注目すると』

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<ツボの説明>

　　すでに人口の５人に１人は６５歳以上の高齢者という状況に
　なっているわが国においては、「シルバーマーケット」というも
　のがひとつのキーワードになっています。

　　まもなく「４人に１人は高齢者」という状況になるのが避けら
　れない情勢であることもあって、このシルバーマーケットを考え
　るということは、経営者としては避けて通れないテーマであると
　いうことができます。


　　そのときに気をつけなけばいけないのは、「シルバーマーケッ
　トは無限に拡大してゆく」という錯覚に陥らないようにするとい
　うことです。


　　今注目されている高齢者介護サービを例に考えてみましょう。

　　この高齢者介護サービスというものの表面上の顧客は高齢者で
　すが、その費用を負担しているのは現役世代であり、現役世代の
　負担能力の限界までしか市場は伸びないということができます。

　　そしてその現役世代の負担能力というものは急激に減少してゆ
　く可能性がある。なぜなら、今後１０年以内に高齢者となる年齢
　層の人口（５５歳〜６４歳）は１８７４万人であるのに対して、
　同じく今後１０年以内に就労可能年齢（１５歳）に到達する人口
　（５歳〜１４歳）は１１９１万人しかいないから。

　　その差は６８０万人です。わずか１０年で、です。

　　高齢者介護サービスというマーケットを実質的に支えている階
　層が、たったの１０年間で数百万人というオーダーで減少する、
　ということなのです。

　　そう考えると、高齢者介護サービスというマーケットの規模も、
　人口構造の変化によって縮む可能性があるということがお分かり
　いただけると思います。


　　需要は間違いなく急激に拡大してゆくのに、マーケットは縮小
　するといういびつな状況が発生した場合、そこにどのようなニー
　ズが新たに発生するのか？　そんなことを考えてゆくのがビジネ
　スの醍醐味といえるのかも知れません。

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