<本日のツボ92>
『新入社員はいい気分』
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<ツボの説明>
皆さんの会社には新入社員がいますか?
当社は残念ながら、今年は新入社員がいません。
すこし寂しいです。
「どうして寂しいんだろう?」と考えてみました。
結果、「新入社員にいろいろと教育・指導することが、自分に
とって楽しいことだから」という点が一番大きかったということ
に気付きました。
新入社員ですから、最初のうちはなんでも言うことを聞くので
なんとなくいい気分に浸れる ということだったのです。
自分で「これはマズイな」と思いました。
働くものにとって「自身の自尊心を守る」というのは結構骨の
折れることです。しかし人間は、自尊心が傷つくことに長時間耐
えることができません。
そこで、新入社員の面倒を見ることによって自分自身の自尊心
をいたわってやることは、精神の健康を守る上では有効です。
しかし、この「なんとなくいい気分に浸れるから」という感情
をいつまでも引きずってゆくのは問題です。
会社にしてみれば当然、新入社員には一日でも早く戦力として
自立してもらいたいわけですが、自分がいい気分に浸るために世
話を焼き続けていたのでは、一人前の社会人として育成する と
いう本来の目的がないがしろにされていることになるからです。
そこで私の会社では、「新入社員」とか「新人」という言葉に
使用期限を設けています。
具体的には2ヶ月間、つまり5月末までは使っても良いことに
して、その後は上司も同僚も本人も、社内においても社外やお客
様に対しても、それらの言葉を使ってはいけないことにしています。
呼称の使用期限を設けただけなのですが、新人だから という
ことを理由にした甘えや理不尽な取り扱い、仕事の役割分担にお
ける差別的な取り扱いが、自然と目立たなくなります。
いわゆる「ひよっ子扱い」というのは、そのように扱う先輩社
員の側が「いい気分」になっているだけで、組織における人的資
源管理の観点からみると、レベルの低い対応といわざるを得ませ
ん。
したがって、こういったルールを明確化することにより、
1.本人の自覚を促し、短期間に戦力化できる
2.上司や先輩社員とのあいだに不健全な支配・従属関係が
できない
3.チーム内の人間関係が整理され良好となることで、組織と
しての業績達成能力が向上する
といった効果を得ることができます。
わが社は中小企業ですから、世の中からトップクラスの人材を
集めて採用することはなかなかできません。よって「2ヶ月間」
は妥当な長さだと感じています。
皆さんの会社なら、1ヶ月 でもいいかもしれませんよ。
ただし、「もう新人じゃないんだから」という理由により、経験
にそぐわない過負荷を背負わされることにならないよう、チーム
全員がその意義を十分理解した上で運用する必要があります。
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アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
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