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  2006年4月21日


 <本日のツボ92>
   『新入社員はいい気分』

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<ツボの説明>

  皆さんの会社には新入社員がいますか?

  当社は残念ながら、今年は新入社員がいません。
 すこし寂しいです。


  「どうして寂しいんだろう?」と考えてみました。

  結果、「新入社員にいろいろと教育・指導することが、自分に
 とって楽しいことだから」という点が一番大きかったということ
 に気付きました。

  新入社員ですから、最初のうちはなんでも言うことを聞くので
 なんとなくいい気分に浸れる ということだったのです。

  自分で「これはマズイな」と思いました。


  働くものにとって「自身の自尊心を守る」というのは結構骨の
 折れることです。しかし人間は、自尊心が傷つくことに長時間耐
 えることができません。

  そこで、新入社員の面倒を見ることによって自分自身の自尊心
 をいたわってやることは、精神の健康を守る上では有効です。


  しかし、この「なんとなくいい気分に浸れるから」という感情
 をいつまでも引きずってゆくのは問題です。

  会社にしてみれば当然、新入社員には一日でも早く戦力として
 自立してもらいたいわけですが、自分がいい気分に浸るために世
 話を焼き続けていたのでは、一人前の社会人として育成する と
 いう本来の目的がないがしろにされていることになるからです。


  そこで私の会社では、「新入社員」とか「新人」という言葉に
 使用期限を設けています。

  具体的には2ヶ月間、つまり5月末までは使っても良いことに
 して、その後は上司も同僚も本人も、社内においても社外やお客
 様に対しても、それらの言葉を使ってはいけないことにしています。

  呼称の使用期限を設けただけなのですが、新人だから という
 ことを理由にした甘えや理不尽な取り扱い、仕事の役割分担にお
 ける差別的な取り扱いが、自然と目立たなくなります。

  いわゆる「ひよっ子扱い」というのは、そのように扱う先輩社
 員の側が「いい気分」になっているだけで、組織における人的資
 源管理の観点からみると、レベルの低い対応といわざるを得ませ
 ん。


  したがって、こういったルールを明確化することにより、

  1.本人の自覚を促し、短期間に戦力化できる
  2.上司や先輩社員とのあいだに不健全な支配・従属関係が
    できない
  3.チーム内の人間関係が整理され良好となることで、組織と
    しての業績達成能力が向上する

 といった効果を得ることができます。


  わが社は中小企業ですから、世の中からトップクラスの人材を
 集めて採用することはなかなかできません。よって「2ヶ月間」
 は妥当な長さだと感じています。

  皆さんの会社なら、1ヶ月 でもいいかもしれませんよ。

 ただし、「もう新人じゃないんだから」という理由により、経験
 にそぐわない過負荷を背負わされることにならないよう、チーム
 全員がその意義を十分理解した上で運用する必要があります。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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