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 <本日のツボ96>
   『売上向上の5ルート その1』

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<ツボの説明>

  売上を向上させることは、どのようなビジネスにおいても最も
 重要な課題の一つです。

  この売上向上が達成できずに、どうすればよいかと悩んでいる
 経営者は大変多いものです。


  売上を向上させるためにできることというのは、たったの5種
 類しかありません。5つの道筋のどれかをたどることによって売
 上向上を達成することができるという意味で、これを「売上向上
 の5ルート」と呼んでいます。


  一つ目のルートは、いわずと知れた「新規顧客の獲得」です。

  すべての経営者にはこの道を選びたがる傾向があるといっても
 良いくらい好まれるルートですが、実は、この道が5つのルート
 の中でもっとも険しく歩きにくい道です。


  これを実現するためには、製品や生産技術、ニーズ、市場といっ
 たもののどこかに、まったく新しいものをゼロから生み出してや
 る必要があるため、手間とコストと時間がかかります。

  このようなことは、瞬間的なヒラメキや単なる思いつきでは決
 して実現することはできません。

  新しいものを生み出されるときというのは、必ず何らかの変化
 がきっかけとなっているものです。


  島津製作所の田中耕一さんがノーベル化学賞を受賞したいきさ
 つについて、「混合する物質を間違えてしまったことによる偶然の
 発明」などと説明されることがありますが、この「物質を間違えた」
 ということ自体が「発明のきっかけとなった変化」そのものです。

 そして、田中さんのチームがその変化をとらえてものにした。

  このように、きっかけとなる変化というのは、予期せぬ失敗や
 予期せぬ成功、思いもよらない理想と現実とのギャップといった
 形で、ビジネスの現場に現れています。

  日常的に起こっている小さな変化を「ビジネス変革の機会」と
 とらえることが行動特性として身についている人や組織こそが、
 変化を捉え、変革を実現してゆくことができます。

  行動特性として身についているとうことは、それを当然の仕事
 として日常的に反応することが習性となっている、ということです。


  このような組織習慣は「組織開発」を目的とした訓練によって
 獲得することができますが、何よりも大切なのは「経営者の習慣
 となっていること」です。

  ですから「うちの社員にはろくなやつがいない」「いつも失敗
 ばかりしてどうしようもない」といって嘆いている経営者は成功
 できないのです。

   機会を機会として認識することができていないからです。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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