<本日のツボ117>
『先送りをすると選択肢がなくなる』
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<ツボの説明>
業績が思わしくない、いわゆる危ない取引先との関係を見直す
際に、「うまみの大きい仕事だけは残しておいてのこりは全部断
れ」などという指示を出すことは、単なる問題の先送りである。
逃げるのか逃げないのか ということを判断しなければいけな
い時点にいるのに、これでは答えになっていない。
いずれ近いうちに、もう一度同じこと(逃げるのか逃げないか)
を考えなくてはならないことになるか、または、そうなる前に引っ
かかる(相手がつぶれて取り立て不能になる)かどちらかである。
このような先送りばかり繰り返していると、いずれは選択肢が
なくなることになる。
究極は、「もはや進退きわまった。廃業するしかない」という
状態である。
「もはや進退きわまった」という言葉は「ほかにどうすること
もできない」という意味だから、まさしく選択肢がない状況なの
だが、こういう経営者に限って「廃業を決断いたしました」など
と平然といってのける。選択肢がない、最後に一本だけ残ったク
ジを引くことを、「決断」とはいわない。
もうお分かりだと思うが、「決断」など一度もしていない。
常に決断を避けて先送りしてきた結果、自動的に、廃業せざるを
得ないところへ到着した、というだけのことである。
できるだけ選択肢がたくさんあるうちに、ほんとうの決断がで
きるようになりたい。
そのためには、知識・仲間(サポーター)・勇気・運 など
必要となるものがまだまだたくさんあるようである。
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アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史
本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
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