タイトルロゴ大山祐史の経営コラム



 <本日のツボ130>
    『もっと信頼せよ』

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<ツボの説明>

  従業員に、自分の経営手腕と人間性を認めてもらい信頼される
 こと、これが経営者として成功するための前提条件です。

  なぜなら、従業員にとっては「経営者への信頼 = 会社への
 信頼」なので、それがあらゆる動機付けが有効に機能する前提条
 件だからです。

  わかりやすくいうと、社長が「もうかったらボーナスうんとは
 ずむぞ!」といったときに、信頼されている社長と全然信用され
 ていない社長ではその言葉の効果がまるで違うということです。

  「不信」を通り過ぎて「あきらめ」を抱かれてしまっている社
 長のことばは時として、「やれやれ、またかよ・・・」とか「も
 う構ってられないや・・・」というマイナスの反応を引き出しもします。


  そうはいっても、経営者がまわりの人々に信頼感を与えるのは
 簡単なことではありません。

  とくに「人間性」に関しては、どうしても持って生まれたもの
 がにじみ出てしまうものですし、意識して「信頼されたい」と思
 いながらの言動は簡単に見透かされるものです。


  ただひとつ、どんな経営者でもできる方法があります。


  それは従業員を「信頼する」ということです。


  事例で説明します。

  ある経営者は、PHS電話機を使った「位置確認サービス」を
 採用し、「これで君たちがどこにいるのかがすぐにわかる」と自
 慢げに説明しました。
  また、営業マンの携帯使用料金明細書に取引先以外の電話番号
 を見つけると、そこに蛍光ペンで線を引き回覧しました。
  その上、10分以上の通話を「長すぎる」と決め付けて、そこ
 にも蛍光ペンで線を引きました。


  この例はわかりやすいですね。

  この人は「俺はお前たちを全然信頼していない」と宣言してい
 るのです。

  これでは部下に信頼されることは絶対にありません。

  逆に「この人は外出すると必ずどこかでサボり、携帯を持たせ
 たら私用で使いまくる人なんだ」ということがバレるだけです。


  幼稚な管理手法で従業員に接すると、従業員は自尊心を傷つけ
 られます。

  「俺たちを子ども扱いするのか?」

  「俺たちを不道徳者だと決め付けるのか?」と。

  そうすると、人間には自尊心を守ることを何よりも優先させる
 傾向があるので、たいていの場合生産性が下がります。


  重大な労働争議に発展したケースを研究すると、その原因とし
 ては、労働条件などの定量的なものは表面的な要因に過ぎず、た
 いていその根底に「自分たちが軽く見られている=会社に侮辱さ
 れた=自尊心が傷つけられた」という労働者の心理的要因があっ
 たとされています。


  従業員の自尊心を最大限に尊重する姿勢をはっきりと見せるこ
 とによってのみ、会社としての、経営者としての信頼を得ること
 ができるのです。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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