<本日のツボ131>
『信頼の適用範囲は広い』
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<ツボの説明>
従業員に対して十分な信頼をあたえることは、従業員の自尊心
を認めそれを守ることに対して会社として配慮することに他なり
ません。
従業員の自尊心を最大限に尊重する姿勢をはっきりと見せるこ
とによってのみ、会社としての、経営者としての信頼を得ること
ができるのです。
こういった経営者の姿勢というのは会社の社風となり、従業員
の能力を引き出すという以外にも、事業活動における様々な場面
で影響をおよぼします。
「商品が気に入らなかった場合には全額お返しいたします」
この言葉が効果的なのは、それが「顧客の価値観を全面的に受
け入れる = 顧客を絶対的に信頼している」というメッセージ
だからです。
逆に、「正常な使用によって不具合が発生したときにはお取替
えいたします。使用者の責により発生した破損・故障については
この保証の対象外となります」
こういう説明がまったく消費者の心を打たないのは、「私たち
は消費者を信じていませんよ」という気持ちがこもっているから
です。
死亡事故が発生した直後のシンドラーエレベーター社の対応は、
日本人の経営者すべてにとってとても良いお手本になりました。
「設計・構造に問題はない。死亡事故が起こるのは、<使用者の
誤った操作>か保守点検作業のミスが原因である」
このコメントには日本中があきれかえりました。
事故の当事者のみならず、エレベーターを使ったことのあるす
べての人が「バカにされている」ことを理解したと思います。
この会社は、エレベーターの利用者を顧客と位置づけていませ
ん。おそらくこの会社にとっての顧客とは、自社製品を採用する
建物の発注者と建設会社の購買部門だけでしょう。
会社を存亡の危機に追いやる最も手っ取り早い方法は「顧客の
自尊心を傷つけること」であることを学びました。
日ごろから、「本当の顧客はだれであるか」を明確に定義し、
その顧客の自尊心を尊重することがなによりも優先されるべきで
あることを、会社の基本的な思考パターンのなかに焼き付けなけ
ればいけないということです。
「従業員の自尊心と顧客の自尊心」このふたつが経営者が守る
べき最も大切なものです。
そのためには時として「経営者の自尊心」が犠牲になります。
「あいつが悪い」と他者を指差すその人差し指を、グッと握り
締めて己の胸に当てましょう。
「ステータス」や「プライド」に栄養を与えすぎると、そいつ
につまずきます。
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