タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ150>
    『二つの目で見る』

 ------------------------------------------------
<ツボの説明>

  「あいつは人の言うことを良くきくし、骨惜しみせずに働く。
 考え方もしっかりしているし、なかなか見どころがあるやつだ」

 などと目を掛けていた部下に対して、ある日得意先から「あいつ
 は担当からはずしてくれ。出入り禁止だ」などと言われてビック
 リすることがあります。

  得意先によると、「話はうまいのだが、実際の仕事はなにもや
 らない。約束したことを全く守らない」などということらしい。

  同じ人物とは思えない評価の違いに驚いてしまうわけです。


  反対に、家ではどうしようもなくだらしがなくて、何を言って
 ものらりくらりと怠けているのに、学校の保護者会で先生から、
 「お宅のお子さんは本当にしっかりしていてたいしたものです」
 などと褒められて、「いや、私は大山XXの親なんですけど、だ
 れかと間違えていませんか?」などと面食らってしまうような息
 子もいます。


  現実の世の中では、このようなことは良く起こります。

  いついかなるときでも、どこででも、誰に対してでも、終始一
 貫した姿勢で臨み続けるなどということは、我々凡人にはできる
 ことじゃぁありません。

  よって、180度違う評価を受けたとしても、そのどちらもが
 本当のその者の評価なのです。


  また、それはただ単に、どちらか一方が「厳しい目」でその人
 を見ており、他方が「優しい目」で同じ人を見ているために起こっ
 ている差であるというようなことも珍しくはありません。


  ですから、冒頭の「得意先で出入り禁止になった部下」に対し
 ても、「そうか、あいつは調子のいいことばかり言うけれど、約
 束を全く守れないダメ社会人なのか」といったような評価に全面
 的に切り替える必要はありません。

  これはあくまでも「厳しい目」だけで見た場合の彼なのです。


  自分自身の「厳しい目」しか使えない人は、「なにをやっても
 文句しか言わない偏屈オヤジ」

  自分自身の「優しい目」だけに頼る人は、「イエスマンばかり
 かわいがる独善社長」

  他人の「厳しい目」ばかりを重視する人は、「周りの目ばかり
 気にするノンポリ野郎」

  他人の「優しい目」が何よりも気にかかる人は、「人気者に
 へつらう腰巾着」

  などという「他人の厳しい評価」を受けることになりかねません。


  「厳しい目と優しい目」以外にも、「大人の目と子供の目」や
 「消費者の目と生産者の目」など、世の中には価値観の反する
 二つの目の組み合わせが無数のあります。

  どんな物事を見るときにも、いつも二つの目を持って見るよう
 に心がけていると、その物事が立体的に見えてきますから、より
 「本当の姿」に近いものが見えるようになってきます。

--------------------------------------------
 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


  本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
 限りにおいて、引用・転載は自由です。