タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ158>
     『人間力資産』

 ------------------------------------------------
<ツボの説明>

  会社の物的財産は、すべてお金に換算されてバランスシートに
 記載される。

  この数字の過多や比率によって会社に優劣をつけようと試みる
 ようなことがよく行なわれているが、実はバランスシートから
 会社の優劣を判別することは難しい。


  会社を売買したりすることに関与している人々は、そのような
 ことにはとっくに気付いている。

  M&Aのデメリットとして「企業風土の融合に時間がかかり、
 生産性が期待を下回ることがある」とか「優秀な人材が退社して
 しまう結果、組織としての能力が低下する」といったことは昔か
 ら指摘されている。


  事業成績が良い高機能な組織ほど、「人間力資産」の価値が高
 いのだが、この「人間力資産」はバランスシートには記載されて
 いない。

  よって、一般的なM&Aが有効となるのは、物的資産の取得だ
 けで効果が出ることが明らかな場合に限定される。


  世の中には物的資産はほとんど無く、人間力だけで驚くほどの
 好業績をあげている組織が存在している。

  そのような事業体は資本調達の必要性が小さいことから、株式
 会社の形態をとっていない。

  資本は自分たちでまかなえるため、毎期ごとに投資家にとって
 の経済的価値(配当など)への期待に応える必要が無い。

  経済的価値ばかりを追求すると、経済的価値以外の価値を高め
 るための思索や行為がおろそかになりがちだが、それがない。

  そのため、ますます人間力資産が充実してゆくこととなる。

--------------------------------------------
 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


  本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
 限りにおいて、引用・転載は自由です。