タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ169>
    『経営とスピード』

 ------------------------------------------------
<ツボの説明>

  「スピード経営」がもてはやされていますが、その「スピード
 経営」というのがどのようなものなのかについては明確な定義が
 ありません。

  「貴社のスピード経営を支援する・・」などのように、ベンダーさん
 がセールストークとして使用する便利言葉になっているようです。


  現実の経営においては、できるだけ速いスピードを要求される
 局面というのはそれほど多くありません。

  経営判断にはスピードよりも、「的確であること」が強く求め
 られます。

  したがって、「的確な判断を、すみやかに下すこと」がスピー
 ド経営というものであるということができましょう。


  90年代終盤の金融危機の時、地方銀行も次々と経営危機が表
 面化し、実際に破綻し消滅した銀行もありました。そのような中、
 静岡銀行という地銀は経営の安定度で郡を抜いていました。

  「意思決定が遅くてバブルに乗り遅れただけ」という者もあり
 ましたが、あのバブルの最中に、「内容を精査しない不動産担保
 融資を一切行なわない」ということは、トップの意思決定なくし
 ては考えられません。
  そこには「やらない」という意思決定があったにちがいないのです。


  いくらスピードが速くても、雑だったり稚拙だったりしたのでは、
 マネージメントの質は低いものとなります。

--------------------------------------------
 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


  本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
 限りにおいて、引用・転載は自由です。