タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

  2006年8月21日


 <本日のツボ171>
    『一人分の重み』

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<ツボの説明>

  一昨日、義兄のつれあいが亡くなってしまいました。

  まだ30歳台前半という若さなのに、夫である義兄と幼い子供
 二人を残して、前触れもなく突然逝ってしまったのです。

  「致死性不整脈」というものが原因でした。
 これは、心臓を脈打たせる電気信号のリズムに異常が起こり、最
 終的に「心室細動」のような心臓麻痺状態となって心機能が停止
 するものです。
 (「心室細動」は、2002年に高円宮殿下が突然お亡くなりに
 なった際に、原因として報道され有名になりました。)

  日本における突然死は、年間約8万人と推定されていますが、
 そのうちの約半分が心臓病による突然死で、毎日百人以上の方が
 これで亡くなっていると言われています。
  このような心臓突然死のほとんどは、心室細動が原因です。

  この数字は、自殺による死者の数にほぼ匹敵するものです。



  中小企業の場合、規模の小ささゆえに従業員一名分の労働力が
 会社全体に与える影響度は、相対的に大きくなります。

  千人のうちの一人よりも20人中の一人の方が割合が大きいと
 言う、あたりまえのはなしです。

  さらに中小規模の事業では、労働力に対しての限界生産物を示
 す曲線が、ある地点で折れ曲がるような現象がしばしば見られます。

  限界生産物とは労働力を一単位投入することで増加させること
 ができる産出量のことですが、この量がある一定地点を境にして
 極端に変化すると言うことです。

  例をあげて説明します。10人で一時間に100個できる作業
 があったとします。

  この作業人員を10%人増やして11人にしても、産出量は
 10%増とはならず、105個=5%増にとどまり、作業者数を
 10%減らして9人としたときには、産出量が10%以上減少し、
 85個=15%減 となってしまうようなことが起こります。

  中小企業では、規模の小ささだけでなく、労働者の習熟度への
 依存度の高さや機械化度の低さといった要因により、上記のよう
 な現象が顕著になりやすいと言うことができます。


  頼りにしていた人に突然逝かれてしまう、というような悲劇は、
 誰にでも起こりえます。
  そして、その影響を大きくこうむるのは中小企業です。一人分
 の労働力は、中小企業のほうが重いのです。

  一方、「生きている人間によって支えられながら、人が幸福に
 生きてゆくことを支えている」
  こういう立場になれることは、中小企業経営の醍醐味でもあります。

  自殺防止やAEDを用いた救命法などに関心を持ち、従業員と
 一緒にさまざまな知識や経験を積み上げてゆきたいと考えています。


   ↓AED(自動体外式除細動器)についてのリンク
   http://www.aedjapan.com/

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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