タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ199>
   『居眠りを奨励する』

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<ツボの説明>

  「会社で居眠りをするなんてとんでもない!」というのが、
 今まで日本の常識でした。

  今、その常識が変わりつつあります。


  独立行政法人産業医学総合研究所の高橋正也研究員らの実験
 により、以下のような事柄が観察されました。

  昼食後に15分間の昼寝をした労働者は、それをしなかった労働
 者および、同じ者が昼寝をしなかった場合と比較して、

 1.午後の勤務時間中、覚醒度合いが高い(眠気を感じる程度が低い)
 2.モニター装置を使った簡単な反射能力テストの結果、反応時間
   は短く(早く)、誤った反応をする確率が低い(正確)
 3.夜間の睡眠の時間が長く、その質も良質であった

   といった傾向が見られました。

  この時の被験者は、昼食後リクライニングチェアに座って、背
 もたれを45度程度の角度に傾けた状態で目をつぶるという、非常
 に簡易で現実的な方法で昼寝を実施しました。


  また、私も関与した別の研究(埼玉県八潮市の労働者を対照に
 した大規模調査)では、睡眠の質と業務中の怪我の回数との間に、
 睡眠に問題がある人ほど怪我を経験した回数が多いという有意な
 相関関係があることが、同じく産業医学総合研究所の中田光紀研究
 員らの分析により明らかになっています。

  これらのことから、昼食後に15分程度の短い睡眠を取ることは、
 特に午後の業務において、その効率と品質を高め、事故を防止する
 効果がある可能性が高いといえそうです。


  睡眠と精神の安定度との関係についても、うつ病患者のほとんどが
 不眠や途中覚醒などの睡眠障害の症状を示すことがわかっています。

  睡眠の質を高めることは、作業効率や事故対策の点で有効である
 というのみならず、ストレス社会を元気に、心身ともに健康なまま
 過ごしてゆくために効果があると考えられているのです。


  自分自身の健康管理のため、また、会社の効率化と事故撲滅の
 ための取り組みとして、従業員の心身の安全のため、昼寝の習慣を
 取り入れてみてはいかがでしょうか?


  ※昼食後の昼寝は、30分以上とると肉体の反応も落ちてきて、
   作業効率や確実性を低下させることがあります。また、過度の
   昼寝は、夜の睡眠の質を低下させる可能性もあるので、15分
   程度という時間を維持することが重要だということです。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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