タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


   <本日のツボ201>
    『個人商店はどこへ行く』

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<ツボの説明>

  「街づくり三法」というのは、

       1.中心市街地活性化法
       2.改正都市計画法
       3.大規模小売店舗立地法

          の3つのことを言います。

  近年の改正で郊外型の大型小売店の出店にさまざまな条件が付加
 され、事実上の「新規出店規制」となっており、この点が最も注目
 を集めています。

 「この出店規制により、大手小売業は業績が圧迫される」

 「この出店規制は、大手小売業の設備投資負担を軽減させるので
  大手小売業の業績は向上する」

 「この出店規制により、小売業全体の増床ペースが鈍化し、オー
  バーストアによる過当競争を緩和する作用があるので、小売業の
  業績は回復する」

  などといった、大手小売業の業績に着目した見解をよく見かける
 ようになりました。


  しかし、このような一般論の裏を考えるのが経営者の仕事です。

  ここで読み取っておきたいのが、「地方対策」と「高齢化対策」
 に関する意図です。

  大型店の郊外への出店を、大店立地法と都市計画法の二面から
 規制強化したことについて、土地の用途地域の指定権限を大幅に
 地方に譲渡した点などから、これは地方自治体による中心市街地
 への集積促進政策を国策レベルでバックアップしたとものと見る
 ことができます。

  中心市街地とは、いわゆる「駅前」や「旧市街」のことですが、
 そこへ行政や民間の経済活動を集中させることには、地方の行政
 コストを中長期的に圧縮する効果があるのです。

  この点が、地方への権限と財源の移譲→小さな政府の実現 と
 いう国策の大きな流れに合致してくるわけです。


  次に高齢化との関係ですが、中心市街地への集積を進めるため
 には大型店をそこへ誘導することが第一歩ですが、真の狙いは核と
 なる大型店の集客力を利用して、周辺の独立小売店、つまり個人
 商店を復活させることにあります。

  社会保障制度の破綻を回避して豊かな国であり続けるためには、
 高齢者のうちの一定割合(おそらく1000万人以上)を、現役
 就業者の側に取り込まなければなりませんが、その役割を担うのは
 中小企業です。

  65歳以上の高齢者雇用は、大企業だけではとても支えられません。

  定年制がなく身体が動く限り働き続けることができる個人事業は
 重要であり、特に、絶滅の危機に瀕している小規模小売業(個人
 商店)の復活は必須事項なのです。


  以上の2点は、わが国にとって重要度の高いテーマであるという
 ことはご理解いただけると思います。

  「大手小売業の業績の動向を見ながら、手綱を締めたり緩めたり
 して調節する」というような、小手先の政策とはいえないのです。

  こういった、大きな流れの変化を感じることを「大局観」という
 のですが、感じた上にさらに、この流れの転換が自社のビジネスに
 どのような影響を与えるか、もう少し具体的に言うと、「どのよう
 なビジネスチャンスを見出すことができるか」といったことを考え
 てみましょう。


  たとえば私の場合は、「会社を定年退職した方々の起業・開業
 戦略の策定」といった需要に結びついてきます。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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