<本日のツボ303>
『異種格闘技』
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<ツボの説明>
経営改善を進めて行こうとしている中小企業者の多くに見られる
特徴をひとつ紹介します。
それは、「自社の弱みにこだわってしまう」ということです。
「経営改善」のためにやらねばならないことは色々あるのですが、
そのうちのひとつである「弱みの克服」にとらわれてしまうのです。
日本人の、というか人間の特徴として、「隣の花の方が美しく
見える」というのがあります。
よその会社がやっていることが妙にうらやましく思えて、自分の
ところでも同じようにしたいと考えてしまいがちになるのです。
「自分の会社にはあれが足りない。その弱点を何とか補わなけ
れば、あの会社のようにはなれない」と。
このような感情が強くなって、その弱みを克服するために、金や
人材を投入しようとします。
これを私は「異種格闘技」と呼び、戒めるように助言しています。
モハメッド・アリやマイク・タイソンは強い世界チャンピョン
でしたが、それは「ボクシング」という限られた世界での話です。
彼らが仮に柔道の試合に挑戦したとしたら、世界チャンピョンに
なれるでしょうか? まずムリですよね。
中小企業には「ヒト、モノ、カネ」といった経営資源に量的な
制約を抱えた状態で運営されているという特徴があります。
それなのに、自社にとって弱みとなっている部分を他社と比較し、
その分野に経営資源を投入して戦いを挑もうとすることは、柔道に
挑戦するボクサーのようなものであり、みずからすすんで「勝算の
無い戦い」に突入して行くようなものです。
相撲の横綱がK−1に挑戦したって、簡単には勝てるわけがない
のですね。
限られた経営資源は、自社の強みに集中して投入することが、
正しい経営改善の道です。
経営者が「曙」になってはいけません。
プッシュ力が強いのなら、「押し出しあり」のルールがある戦場で
戦わなければ勝つことはできないのです。
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